2018-09-06 「美しい日本語」フェア もっともっと本について語ろう #読書 「美しい日本語」フェア 見かけは、 金田一春彦『美しい日本語』『ホンモノの日本語』(角川ソフィア文庫) 山下景子『美人の日本語』『美人の日常語』『花の日本語』(幻冬舎文庫) 齋藤孝『声に出して読みたい日本語』シリーズ (草思社文庫) などが中心に見えますが、 一番の軸は、 水村美苗 『増補 日本語が亡びるとき』(ちくま文庫)です。 世界で一億もの市場をもつ国民文学は、米中ロなどの大国を除けば、極めてまれです。 今、出版の危機が叫ばれてますが、世界の大半の国民文学は7千万人以下の国々。 日本ほど恵まれた国はありません。 美しい日本語を守り育てるのは、これからの私たちの責任です。 美しい日本語は、古来、漢文や英文などとの交流によって磨かれてきました。 日本のことをまったく知らない外国人に、日本のことを説明するために 最初は英文で書かれた岡倉天心『茶の本』や 新渡戸稲造『武士道』などが、 はじめから日本語で書かれたもの以上に、美しい日本語をうみ育てました。 同時に漢文の素養のある明治人たちが、 多くの日本文学を口語として磨きあげてくれました。 この機会に、幸田露伴、樋口一葉、泉鏡花、夏目漱石、中勘助などの文章を あらためて読んでみてはいかがでしょうか。