~ここから新しい世界に出会える~正林堂

渋川市の書店「正林堂」からお店の企画、本の紹介、地域の情報などを気ままに発信します。

2009-01-01から1年間の記事一覧

文章をつづることの価値の再評価

このところ文章を書くこと、つづることの意味を考えされる話題が続いています。 ひとつは渋川市在住の教師、飯塚祥則先生の本で 『田中の家に犬がくる』(本の泉社)952円+税 地元なので、直接先生が本を届けてくれました。 最初にお会いしたときに、私も「…

1月のおさえておきたい本

【一般書】 〇 勝間和代・香山リカ 『勝間さん、努力で幸せになれますか』 朝日新聞出版 1,200円+税 (8日) 〇 ディック・フランシス 『拮抗』 早川書房 2,000円+税 (上旬) 〇 平岩弓枝 『新・御宿かわせみ 花世の立春』 文芸春秋 1400円+税 (上旬) …

前橋の絵本作家、空羽ファティマさんの本

昨日、出版社の営業の方が見えられました。 児童書の版元で、ひくまの出版さんです。 高崎・前橋から北になると、実用書以外の版元はめったに来ることがないので、いったい何の用だろうとこちらもついかまえてしまう。 聞くと、前橋の絵本作家さんの話題の本…

酒井大岳さんの本

群馬の本屋にとって、地元の方としてマークし続ける大事な方の一人に酒井大岳さんがいますが、 意外とあさを社さんの常備図書以外の売れる本が、どこでも店頭にないことが多いようです。 当店でも、新刊が出ても自働配本があるわけではないので、大事な本が…

もう一つの八甲田雪中行軍

マークし損ねていた大事な本。 間山元喜 著 「孫が挑んだもう一つの八甲田雪中行軍』 中経出版 定価1,575円 以前、「かみつけの国 本のテーマ館」のなかの第5テーマ館 「今、戦争をどう語るか」の組織と個人をめぐる関連書紹介の中でも紹介したことですが、…

斎藤一人『幸せの道』

今、よく売れている斉藤一人さんの本に 『幸せの道』というタイトルの本があります。 KKロングセラーズ 定価 本体1,500円+税 (以下、本文からの引用です) 「幸せの道」ってどこにあるんですか? って聞く人がいるんですけど、そんなもんないんです。 非常…

上野国分寺跡と橘諸兄

「かみつけの国 本のテーマ館」のお仕事で、上野国分寺跡に行ってきました。 駐車場の狭さやわかりにくさなどから、実際に訪れる人は少ないのだろうと感じましたが、七重塔の復元模型をみて、往時の規模の大きさがうかがわれあらためて驚きました。 この七重…

12月のおさえておきたい本

【一般書】 〇 山本容子・井上真希 『ルナ+ルナ 山本容子の美術旅行』 講談社 1,900円+税 (1日) 〇 竹内正浩 『地図で読み解く 戦国合戦の真実』 小学館 2,000円+税 (1日) 〇 『井沢元彦の戦乱の日本史』 小学館 1,300円+税 (1日) 〇 植木朝子 『…

精神病院を捨てたイタリア 捨てない日本

これも、どうしても紹介しておきたい本。 大熊一夫 著 『精神病院を捨てたイタリア 捨てない日本』 岩波書店 2,520円 随分昔になりますが、この著者の『ルポ・精神病棟』を読んだときの衝撃はすごかった。 これを病院と呼んでよいのだろうかと思われるような…

安中の後閑城址へ行きました

「かみつけの国 本のテーマ館」の取材で、安中市にある後閑城址公園へ行ってきました。 北毛地域に比べると、まだ西毛地方の城址は、ほとんど行っていないので、 追々攻めていきたいと思っていました。 この後閑城は、箕輪城と連携したこのあたりの安中、松…

湯浅誠『岩盤を穿つ』

書評ではありませんが、どうしてもお知らせしておきたかった本なので紹介だけさせていただきます。 テレビでその姿を拝見したとき、ずいぶんしっかりしたことをされている人だと感じましたが、 知れば知るほど、大事なところをおさえている方です。 (以下は…

無料で広がるビジネス

クリス・アンダーソン著『FREE』 NHK出版 どこかで聞いた名前だと思ったら「ロングテール」という言葉の生みの親で、私自身もブログで以前書いていました。 11月26日に発売の本ですが、本の発売に先行してネットで内容を公開するというもの。 (残念ながら公…

紅葉といえば、桜っ!

鬼石の冬桜をようやく見ることができました。 この紅葉の季節に見れる冬桜こそ、最高! 盆と正月と クリスマスと誕生日が いっぺんに来たような景色。 今年から夜のライトアップもするようになったそうです。

古代の有馬氏ってどれほどの勢力だったのか?

前に書いた大島史朗先生の講演で、今の渋川市周辺が有馬氏の勢力圏の範囲であったとは断定し難い、 渋川氏につながるなんらかの独立した富裕な勢力圏が存在したことを知りましたが、 ここにきて急に、有馬氏そのものがはたしてどれほどのものだったのか、疑…

「おもてなし」ミーティングがあなたのチームを強くする

阿部 剛 著 『1日10分!「おもてなし」ミーティングがあなたのチームを強くする。』 インフォトップ出版 定価1,500円+税 タイトルで興味を持った本です。 「おもてなし」力のない私が、こうした本を紹介するのはツライ! うちの職場で最も欠けている問題…

勇気がわいてくるショッキングな数字

「新文化」という業界紙、11月12日号の記事からの感想です。 私にははじめは大変ショックな数字でしたが、ちょっと冷静に考えると嬉しくも思えた情報。 全国の書店総売上高(書店経由売上高) 1兆5094億円 このうち年商10億円以上が193社 ここ…

『沈まぬ太陽』と小倉寛太郎

映画『沈まぬ太陽』を公開後間もなくみてきました。 細部の仕上げ方には疑問を感じるところもありましたが、多くの困難を乗り越えて、長い原作をこれだけの作品にまで仕上げてくれたことには、大いに敬意を表したいと思います。 この作品はまず新潮社から刊…

甲波宿禰神社の謎 その3  大島史郎さんの講演から

甲波宿禰神社が川の信仰であることに、私はどうも違和感を感じていたのですが、 その疑問を解決してくれる貴重な機会に運よく恵まれました。 11月1日(日)に渋川市立図書館の郷土史講座で、大島史郎さんが「渋川郷と渋川氏」と題して、 甲波宿禰神社にも触…

渡良瀬遊水地の谷中村跡

考ええてみると私は、 こうした場所にひとりずっと立って時間を過ごすことが 昔からとても好きだ。 足尾銅山の廃坑跡の見える山々。 安土城址など、なにも建築物の残っていない城址。 御巣鷹の尾根。 どこも何度となく通い続けている。 そんな場所のひとつで…

オンマ谷という場所

先週、榛名山の二ツ岳(雄山、雌山)に登り、オンマ谷という場所にはじめて行ってきました。 まったく予備知識なしで訪れた場所なのですが、これほどのところとは、まったく知りませんでした。 相馬岳と二ツ岳に挟まれた狭い谷間なのですが、榛名山の外輪山…

11月のおさえておきたい本

【一般書】 〇 瀬戸内寂聴 『わたしの蜻蛉日記』 集英社 1,600円+税 (4日) 〇 山折哲雄編『日本仏教史入門―基礎資料で読む』 角川学芸出版 2,000円+税(6日) 〇 山田法胤 『迷いを去る 百八の智慧』 講談社 1,300円+税 (6日) 〇 日野原重明 『よき死…

甲波宿禰神社の謎 その2 武内神社編

渋川市の北方に、三つほぼ等間隔で直線状に並ぶ甲波宿禰神社の真ん中にある神社は武内神社と呼ばれ、ここは武内宿禰を祀っているとされます。 甲波宿禰神社が川の信仰だといううのもいまひとつ理解できませんが、このような土地にいきなり武内宿禰というのも…

教科書デジタル化のゆくえと展望 その3

今や全世界にはりめぐらされたインターネットというインフラとその検索技術が社会にもたらした変化は、情報を所有することには意味がなくなる時代に入りだしている、ということなのではないかと思います。 情報は、「所有権」の時代から「利用権」の時代へ移…

教科書デジタル化のゆくえと展望 その2

前回はデジタル教科書導入の方向へはたらくメーカーや出版社、文部科学省などの思惑と動きなどについて書きましたが、政権交代がおきたことで、学校教育そのものもこれから10年では、おそらく大きくかわっていくことと思います。 私個人としては、検定教科書…

教科書デジタル化のゆくえと展望 その1

ちょっと武内宿禰について書く前に、同業者との間で議論になった教科書のデジタル化の可能性について数回にわけて書いておこうと思います。 1、現在、すでに起きている変化 すでに紹介されていますが、今年アメリカで高校の教科書にアマゾンが開発した読書…

甲波宿禰(かわすくね)神社の謎

渋川市には甲波宿禰という名の神社が4つあります。 わたしが最初に知ったのは、行幸田にある甲波宿禰神社でした。 ところが、この行幸田の甲波宿禰神社は、地元以外にはあまり知られておらず、 通常は、川島、祖母島、箱島にある三つの甲波宿禰神社の方だけ…

まちなか交流広場オープン!

お店の目の前に、今日、「まちなか交流広場」がオープンしました。 旧中心街に生活に必要な商店がほとんどなくなってしまって、多くの人が困っていましたが、 これでようやく新鮮な野菜など夕食の材料を買うことができるようになりました。 朝のうち一時、雨…

【10月のおさえておきたい本】

〇 宇江佐真理 『なでしこ御用帖』 集英社 1,500円 (5日) 〇 三輪敏広三輪和恵 『白山をみつめて 夫婦で歩いた山の記録(3)』春風社1,600円+税 (5日) 〇 浜野安宏 『新しい価値観ではたらく人々(仮)』PHP研究所 1,400円+税 (7日) ○ 玄侑宗久 …

うちの店の棚の特徴

ちょっと前の写真で申しわけありませんが、当店の文芸書の棚の写真です。 文芸書のコーナーといってもよその書店の棚とはちょっと違います。 俗に文芸書と呼ばれる四六版・ハードカバー本の棚に、文庫サイズ、新書サイズの本がごちゃまぜに一緒に陳列されて…

オンデマンド印刷書籍が身近になる日

読売新聞 ‎2009年9月17日 http://www.yomiuri.co.jp/net/news/cnet/20090917-OYT8T00750.htm 「Espresso Book Machine(EBM)」のメーカーであるOn Demand Booksは米国時間9月17日、パブリックドメインのデジタル書籍を集めたGoogleのライブラリにアクセスし…