~ここから新しい世界に出会える~正林堂

渋川市の書店「正林堂」からお店の企画、本の紹介、地域の情報などを気ままに発信します。

読書・映画・音楽

「正義」と「責任」  ―― 武士道とアリストテレス その2

あらゆる都市国家は、真にその名にふさわしく、しかも名ばかりでないならば、善の促進という目標に邁進しなければならない。 さもないと、政治的共同体は単なる同盟に堕してしまう・・・。 また、法は単なる契約になってしまう・・・ 「一人ひとりの権利が他…

「正義」と「責任」  ―― 武士道とアリストテレス その1

最後の忠臣蔵」を観てきました。 日本人に愛されてやまない時代劇「忠臣蔵」ですが、主君への忠義の面ばかりが強調されたようなドラマ仕立てはあまり好きにはなれいので、当初はあまり積極的に観る意欲はなかったのですが、配役がしっかりしていたので、家内…

ゴッホと言えば?

古い? ゴッホ展に行ってきました。 メジャーな混みそうな展覧会へは、あまり行きたくなかったのだけど、ゴッホは特別。 学生時代、美術評論家瀬木慎一の授業で『ゴッホの手紙』の講義を受けました。 ゴッホが色彩の研究、絵の具の研究をいかに緻密に積み重…

冬期五輪開幕メモ

開会式 聖火台の柱の1本が出ていないのではないか、あんなアンバランスな構造デザインはないだろうと思って見ていたが、NHKのアナウンサーは、そのことになにも触れないのでおかしいとだけ思っていました。 今朝の新聞の写真を見たら、しっかりと穴があ…

『沈まぬ太陽』と小倉寛太郎

映画『沈まぬ太陽』を公開後間もなくみてきました。 細部の仕上げ方には疑問を感じるところもありましたが、多くの困難を乗り越えて、長い原作をこれだけの作品にまで仕上げてくれたことには、大いに敬意を表したいと思います。 この作品はまず新潮社から刊…

剱岳 点の記 観てきました

お客さんから、感動の声を聞いてしまったので、早速、観てきました。 これはまだ観ていない方には是非、観ておいた方が良いおすすめ作品です。 と思いつつも、個々の場面を冷静に振り返ると 映像・カメラは85点 演技・演出をひっくるめて85点 脚本は、50点か…

茂木正男さんを悼む

高崎映画祭事務局代表で、シネマティークたかさき総支配人の茂木(もてき)正男さんが15日、病気のため亡くなられたことを新聞記事で知りました。 群馬の文化を語るうえで、この方ほど、力強い実践的足跡を残してくれた人もいないのではないだろうかと思える…

期待以上だった映画「クライマーズ・ハイ」

最近の話題の邦画を観ると、その脚本力や映像技術にがっかりさせられることがとても多い。 とりわけ派手な宣伝をしている作品ほどその傾向は強い。 今回の「クライマーズ・ハイ」も、原作の素晴らしさ、テレビドラマ化された作品の出来の良さなどからして、…

アイーダ、こっちの方がイーノダ

DVDブックのオペラの名作鑑賞ものとして、小学館から『魅惑のオペラ』というシリーズ(各3,990円)が刊行されていて、そのなかの興味あるものをいくつか買っていましたが、 後発で、今度は世界文化社から 「オペラ名作鑑賞」というDVD2枚入り各4,800円…

至福の空間

肉体労働で疲れた体を癒やすためだけではなく、 もっとも集中して読書のできる空間として私は 「私の戦略書く兵器工場」のなかで http://www18.ocn.ne.jp/~hproject/page002.html 第2書斎、風呂をプロフィールのなかで紹介していました。 最近、その風呂場空…

10年後の書斎

近頃はなんでも10年後を想定してものを考えるようにしています。 理論的に正しいかどうか判断がつかないようなことでも、この程度の長期的視野にたってものを考えると、おのずと正しい判断をすることができる場合が多いと思ってます。 ちょっと前の日記で 「…

アナログ最後の砦

ペーパー書籍・雑誌の市場規模がこれから10年ほどで、 ピーク時(1995年頃)の半分程度にまで縮小することが間違いないことを以前書いた。 しかし同時に、縮小しても当分の間、決してなくなることもない ということも書いた。 そこについ先日、電子ブック…

分ける文化・育てる文化・蓄える文化

前回の長田弘『読書からはじまる』のつづきです。 情報の時代というイメージにつつまれた社会というのは、 あくまでも中心は「分ける」文化になる。 とりわけネット社会の進展とともに「分ける」文化は、 めまぐるしい進歩をはかってきたといえる。 この国が…

詩人の言葉

長田 弘 『読書からはじまる』NHK出版 を読みました。 長田弘のことは、馴染みの高校の先生から、赤城村出身でアメリカに日本学を確立させて「先生」と呼ばれた研究者、角田柳作の紹介の話の流れでしばしば登場してきて、しきりに薦められていました。 詩人…

林住期(りんじゅうき)

五木寛之の新刊で提唱している すべての人が迎える、もっとも輝かしい「第三の人生」のこと。 古代インドでは、 人生を四つの時期に分けて考えたという。 「学生期(がくしょうき)」、 「家住期(かじゅうき)」 そして、「林住期(りんじゅうき)」と 「遊…

カスミ食って生きる

かつて煥乎堂のホールで定期的に行われていた 古本市が無くなってしまい残念に思っていたら、 ベイシアの伊勢崎店で、県下の古書店6店による新たな古本市がスタートした。 とてもうれしいことだったが、 残念ながら期間中、新学期前の一番忙しい時期という…