~ここから新しい世界に出会える~正林堂

渋川市の書店「正林堂」からお店の企画、本の紹介、地域の情報などを気ままに発信します。

アナログ最後の砦

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ペーパー書籍・雑誌の市場規模がこれから10年ほどで、
ピーク時(1995年頃)の半分程度にまで縮小することが間違いないことを以前書いた。

しかし同時に、縮小しても当分の間、決してなくなることもない
ということも書いた。

そこについ先日、電子ブックの新しいモデルをamazonが発表した。、
これからの動きが注目されている。

        

amazonのジェフ・ベソス自らが発表した「Kindle
http://japan.cnet.com/news/tech/story/0,2000056025,20361398,00.htm
このプレゼンテーションのテーマが
「アナログ最後の砦としての本」だったという。

ジェフ・ベソスは、アップル社のスティーブ・ジョブス
ニッサンカルロス・ゴーンなどとともに、そのプレゼンは是非見てみたいもの。
詳しい内容をもっと知りたいと思う。


電子辞書などは、もう市場に定着してきているが、
電子ブックはかつてSONYなどがチャレンジしながらも敗退しているい経緯がある。

しかし、これからの時代を考えれば、
自宅の蔵書すべてをデジタルデータ化して、ノートで持ち歩けるようにしたり、
それらの情報が、一発検索で1冊の本のどこに記述があるかなど
すぐに引き出せるようになるのは、誰もが夢見ている世界。

また、本屋や図書館に行かなくても、
どこでも端末があれば、必要な文献や新聞や小説まで手軽に読める時代というのも、
持ち運びしやすく見やすい画面で、バッテリー寿命があと一息
改善されれば、実用化そのものは決して遠い問題ではなくなっている。

ノートパソコンでだいたいもういいじゃないか
とも感じるけど、
もう一度、電子辞書がどうして普及したかを考えると、
なんでもオールマイティーであるよりも、
それぞれの目的に応じたハードが進化してこそ
普及のスピードもあがるものだと思える。


ただ、それが圧倒的多数の人々の市場に受け入れられるようになるには、
高校の受験生の市場を突破口にして電子辞書が普及したように、
一定規模のかたまりになる市場がうまれるべく、
なんらかのヒット商品が出てこなければならない。
そのきっかけは、なにになるかわからない。

ちょっとしたデザインかもしれない。

ソフトバンクのように、ここぞと決めて大宣伝をぶちかますことで変わるかもしれない。

もしかしたら、学校の教科書の電子ブック化が先に起爆剤になるかもしれない。


amazonの世界戦略は、
デジタル情報の一括管理を、パソコンにこだわらない情報端末の普及とともに
さらに加速して一挙に手中に収めることが、日程に入っている。


アナログ最後の砦へも挑戦するジェフ・ベソス。

そう遠くはない時代に、
無くなることはないにしても、
デジタルコンテンツで見たものを、紙の本でも欲しいので
注文して取り寄せようとしたら

「おやっ?お客さん、ずいぶんツウですねー。」

なんて言われる時代きてしまうのだろうか。