~ここから新しい世界に出会える~正林堂

渋川市の書店「正林堂」からお店の企画、本の紹介、地域の情報などを気ままに発信します。

エッジの効いた幻冬舎新書

実は、私たち零細書店にとって、幻冬舎はあまり印象はよくありません。

一企業としては正しい経営スタイルなのですが、集中企画、集中販売を徹底しているため、
メディアなどで紹介される話題の本は、実績のある大型店に集中的にまわされ、
一部の書店に山と積まれた本が、中小の書店にはほとんどまわってきません。

お客さまから、予約をいただいた本であってもです。

確かに、そうした販売方法の方が数字は確実に伸ばせるので、
私たちの恨みは買っても、見城社長のような戦略をとることは有りだと思います。

したがって、私の店でも、話題になってお客さんから注文が入る本以外は、
それほど力を入れては仕入れていませんでした。

言われてみれば、零細書店といえども商品の販売や営業は、
2割の商品が8割の売り上げを支える80:20の法則は、もっと徹底すべき原則です。

要は、数字を稼ぐ部分と1冊や1人のお客の価値との付き合い方の問題です。


ところが、最近になって個人的にここ数ヶ月の間に読んでいた本のなかに、
なんと幻冬舎新書が6冊も入っていました。
別に出版社で選んだわけでもなく、最近の世の中の切実な問題を追いかけていたら、
たまたま幻冬舎新書が異常に多かったのです。

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新書というと大手のI書店、K社、T社などがありますが、そこに新規で食い込むには、
確かに二匹目、三匹目のドジョウを追うのではなく、それなりの特徴がなければ生き残れません。

もっとも最近の出版社は、どこも仕事の外注比率が高く、特徴を出しているとこは少ない業界なのですが、
この幻冬舎新書の編集者は、同じテーマを扱っても、著者にどのようにまとめあげさせるか、
とても鋭い手腕を発揮されているように思えました。
どのような編集者なのか、まだ検索もしていませんが、かなり優秀な方であることは間違いありません。

そこで、今までは仲良くしようなどとは思っていなかった幻冬舎(笑)の新書を
小規模ながらコーナーにまとめてみました。

その気持ちを伝えるには、一点、一点にPOPをつけなければならないでしょうが、
ま、そのうちということで。

堤未果 「日本が売られる」
宮本太郎編 「弱者99%社会」
中野剛志 「日本の没落」
宮台真司福山哲郎 「民主主義が一度もなかった国・日本」
小林よしのり宮台真司東浩紀 「戦争する国の道徳」
岸博幸 「ネット帝国主義と日本の敗北」
岸博幸 「オリンピック恐慌」
橋本卓典 「金融排除」
丸山俊一+NHK「欲望の民主主義」制作班 「欲望の民主主義」
中村仁一 「大往生したけりゃ医療とかかわるな」
中村仁一 「大往生したけりゃ医療とかかわるな 【介護編】」


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