~ここから新しい世界に出会える~正林堂

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林住期(りんじゅうき)

五木寛之の新刊で提唱している
すべての人が迎える、もっとも輝かしい「第三の人生」のこと。

古代インドでは、
人生を四つの時期に分けて考えたという。
「学生期(がくしょうき)」、
「家住期(かじゅうき)」
そして、「林住期(りんじゅうき)」と
「遊行期(ゆうぎょうき)」。

この林住期(50~75歳まで)こそ、定年後や更年期などの言葉のイメージとか、一生の付録や余りの部分ではなく、人生で最も輝かしい時期であるという。

そしてこの林住期をどれだけ豊かに生きられるかは、
その前の家住期(25~50歳)の時期をどれだけよく生きたかにかかっている。

今朝、風呂のなかで一気に読んだが、
言っているのは単純なことだが、五木寛之の本では『他力』以来の深く語り尽くせない豊かな内容を感じた。

ひとつのポイントは、
林住期にさしかかった人間の大きな問題、健康このこと。


病気は仕方がない。それと闘おうとは私は思わない。諦めることを考える。「諦める」とは、投げ出すことではない。その反対である。
「諦める」とは「あきらかに究める」ことだ、と私は思ってきた。病の現実を、目をそらさずに直視する。そして、それを否定しない。どうすれば少しでも楽になるかを工夫する。一番大事なことは病気にならないように、ふだんから体調を維持することだ。それを「養生」という。「治療」より「養生」である。

という。

この養生で最も大切なのが「食事」と「呼吸」。
若いころ病弱と言われたひとが、この基本を心がけることで、
50代以降を元気に生きることができている。

ひとは一日にドラム缶30本分もの血液を循環させているという。
それだけのポンプの役割を心臓は生涯、一秒たりとも休まず続けている。これは心臓だけでなく他の第二、第三の心臓の助けがあってこそ出来ていること。

このまさに神業の世界ともいえる人の体は、カロリーや栄養のバランス計算よりも、日常の食事、それを消化する内臓の働き、血液の循環、きちんとした呼吸によってこそ維持される。

この「養生」を心がけることによって、どうしても体力的には衰える時期の後半生を、元気を加速して生きていけるようになる。

林住期に限らず、仕事も、人間関係も
確かに「治療」よりも「養生」を心がけることが大事だ。

そのなかの「呼吸法」については
報告したいこともあるので
次回にまた書く。