~ここから新しい世界に出会える~正林堂

渋川市の書店「正林堂」からお店の企画、本の紹介、地域の情報などを気ままに発信します。

出版業界とデジタル技術

高崎のジュンク堂さんに行ってきました

いよいよこの群馬県にも、本格的な大型店の紀伊国屋書店さんとジュンク堂さんがそろい踏みしました。 ジュンク堂は、高崎駅前の高崎ビブレにコミック館として営業していたところに本格的な総合書店として増床することになり、5月28日オープンしました。 紀伊…

群馬県民、1年の本購入額 3万5030円

昨日の上毛新聞の記事です。 (群馬経済研究所の調査による) 3年前に比べて群馬県民の本購入額は、7.5%減少しているとのことです。 この調査によると、年齢が高いほど購入金額も大きい傾向にあります。 ところが、こうした数字をみたとき、おそらく多く…

無料で広がるビジネス

クリス・アンダーソン著『FREE』 NHK出版 どこかで聞いた名前だと思ったら「ロングテール」という言葉の生みの親で、私自身もブログで以前書いていました。 11月26日に発売の本ですが、本の発売に先行してネットで内容を公開するというもの。 (残念ながら公…

勇気がわいてくるショッキングな数字

「新文化」という業界紙、11月12日号の記事からの感想です。 私にははじめは大変ショックな数字でしたが、ちょっと冷静に考えると嬉しくも思えた情報。 全国の書店総売上高(書店経由売上高) 1兆5094億円 このうち年商10億円以上が193社 ここ…

教科書デジタル化のゆくえと展望 その3

今や全世界にはりめぐらされたインターネットというインフラとその検索技術が社会にもたらした変化は、情報を所有することには意味がなくなる時代に入りだしている、ということなのではないかと思います。 情報は、「所有権」の時代から「利用権」の時代へ移…

教科書デジタル化のゆくえと展望 その2

前回はデジタル教科書導入の方向へはたらくメーカーや出版社、文部科学省などの思惑と動きなどについて書きましたが、政権交代がおきたことで、学校教育そのものもこれから10年では、おそらく大きくかわっていくことと思います。 私個人としては、検定教科書…

教科書デジタル化のゆくえと展望 その1

ちょっと武内宿禰について書く前に、同業者との間で議論になった教科書のデジタル化の可能性について数回にわけて書いておこうと思います。 1、現在、すでに起きている変化 すでに紹介されていますが、今年アメリカで高校の教科書にアマゾンが開発した読書…

オンデマンド印刷書籍が身近になる日

読売新聞 ‎2009年9月17日 http://www.yomiuri.co.jp/net/news/cnet/20090917-OYT8T00750.htm 「Espresso Book Machine(EBM)」のメーカーであるOn Demand Booksは米国時間9月17日、パブリックドメインのデジタル書籍を集めたGoogleのライブラリにアクセスし…

手作り冊子『高橋勝巳句集』

(旧)月夜野町の実家の近所のおじいさんに頼まれた俳句集が出来上がりました。 手作り本活動の一環として作ったものです。 平成13年から21年までの間につくられた50句とふたつの短歌を掲載。 はじめは、ただ俳句を書き連ねただけの原稿をいただいて、はてど…

水村美苗『日本語が亡びるとき』に触発されて(1)

前に紹介した水村美苗さんの『日本語が亡びるとき』 筑摩書房 定価 本体1,800円+税 この本が、あまりにも多岐にわたって示唆に富んだすばらしい著作なので、数回にわたって本書を通じて考えたことを書いてみたくなりました。 以前、アメリカドルの力が衰退…

いよいよ電子書籍リーダーが普及しだした

電子書籍は、日本ではこれまで何社かが参入していましたが、どれも思うようには普及しませんでした。 でも、電子辞書の普及例のように、使い勝手のよいハードと、紙の情報をただデジタル化しただけではない新たな活用事例が伝わり出すと、一気に普及は加速す…

ネット検索にかからない大事な情報

これだけネット検索技術が進歩した時代でも、 グーグルやアマゾンをいかに駆使しても、 検索にかからない大事な書肆情報というのは、けっこうあるものです。 こと地元の本に関しては、 群馬出身や在住の作家、 自費出版などで流通にのらない本、 タイトルな…

著作物の占有権と利用権

このところ最大大手SNSであるmixiの利用規約 第18条をめぐって 多くの利用者からmixiへの不審へつながる議論が沸騰しています。 私の知り合いのなかでも、WEB上の情報発信に熱心な人ほど このことへの憤りは強いようです。 mixi側はいろいろな誤解をうん…

溶けていく本屋

私たちの業界紙「新文化」という新聞に、長野の平安堂の平野会長のアメリカ流通業界視察後の業界に対する意見がトップページに出ていました。 その見出しは「業種破壊で本屋は"溶ける”」。 今、私のまわりでなにかにつけて話題になっている本 『ウェブ時代を…

アナログ最後の砦・つづき

電子ブック明日の姿 電子辞書が普及した大事な要因は、 アナログデータを単純にデジタル化したというだけのものではなく、 デジタル化によってどのような新しい世界が開けるかということが 具体的に理解されたことにあるのだと思います。 膨大な紙の辞書何十…

最近の出版統計から、

内部の打ち合わせ用に、出版科学研究所の統計資料をみていて、 あらためて衰退産業である書店業界の暗い将来像と、 うちのような小さい店の明るい未来像を浮き彫りに感じることができました。 ここ20年ほどの業界全体のおおまかな数字の推移を見ると 1995,96…

数字は客観的でない(ことが多い)

お店で棚の担当者との間で、同じ商品の見方の違いを感じることがよくあります。 ひとつの本が売れたその実績に対して、 ある担当は 「1冊売れた、嬉しい!」といい 別のある担当は 「1冊しか売れない」という。 総じて、積極的な変化を望む人は前者であり…

情報パッケージとしての本

これまでデジタルコンテンツがネットなどにより自由に流通するようになると、多くの情報は、紙などのなんらかのハードに依存する必要がなくなり、限りなく無料で情報を入手することができるようになるということを書きました。 しかし、情報の伝達の一手段と…

やっぱり払われていない価値

前回の「情報の値段はタダ(無料)」の話、 長い内容だったこともあり、投げ銭システムのほうに話題が集中してしまいましたが、情報の価値に関してはやはりコストは払われていないことを確認する補足の話を加えます。 以前、木を植えた男のフェアの紹介で宮…

情報の値段は本来タダ(無料)

前回、「ブログ・オブ・ウォー」という本の話をきっかけに 新しいメディアを代表するブログと本の可能性についての話になりました。 そこで、ブログに限らずこれから次々と新しいメディアが登場する時代に ペーパー書籍が残る可能性は、どのような場面で考え…

リナックスとWEB2.0時代

最近の日記・ブログで、村上さんの自費制作パンフ「しぶかわ」のことや、WEB2.0時代の整理術・仕事術を書いていて、OSソフト、リナックスを開発したフィンランドの青年のことを思い出していた。 リナックスはマイクロソフトの「ウィンドウズ」に対抗す…