~ここから新しい世界に出会える~正林堂

渋川市の書店「正林堂」からお店の企画、本の紹介、地域の情報などを気ままに発信します。

勇気がわいてくるショッキングな数字

新文化」という業界紙、11月12日号の記事からの感想です。

私にははじめは大変ショックな数字でしたが、ちょっと冷静に考えると嬉しくも思えた情報。


全国の書店総売上高(書店経由売上高)
     1兆5094億円

このうち年商10億円以上が193社
  ここだけで売り上げシェア86.4%を占める

10億円以下、3億5千万円程度までが上記とほぼ同数の社数あり、
ここまでの売り上げ上位約400社で、全国書店売上高の94.5%を占める。



某大手出版社が全国の書店数は500あればいい、と言ったのは
彼らの経営上の立場からだけならとても正しいご意見です。

この上位400社での店舗数は、どのくらいになるのか資料が出ていませんが、
多いところで50店舗くらいとすると平均は20店舗以下とみて、
(チェーン店でも単独店舗の法人売り上げを出しているところもある)
ざっくりと考えて今、16000店くらいになった全国の本屋の約半分くらいは、
上位400社で占めていると思えます。

残り5%の売り上げを、全国の1万店くらいの本屋で分け合っているっていうこと?!

その残り5%も、今や泣かず飛ばずの郊外店と大都市の書店が大半を占めており、
そのさらに残りのチリのような世界に、うちの店は属しているわけです。

これだもの出版社に相手にされるわけがない。
売れ筋なんて入るわけがない。

と、思いつつも、
この数字を見ると、その割には?
よく商品を入れていただいているのではないかという気がしてきました。
コンマ何パーセントかの世界を分け合っているにもかかわらず、
一応本屋としての信頼をある程度得られるかたちを取らせていただいているわけですから。

モーーー、贅沢は言いません。

これから市場が縮小してどんどん撤退していくこの上位の書店のおこぼれを
ほんの僅か、極々ほんの数パーセントをいただくだけで、
うちは十分生きていけそうだという確信がもてました。