~ここから新しい世界に出会える~正林堂

渋川市の書店「正林堂」からお店の企画、本の紹介、地域の情報などを気ままに発信します。

2009-01-01から1年間の記事一覧

発売日に入らない本

また、お客さんに申しわけないことをしてしましました。 一昨日の夕方、来店されたお客さんに、タイトルははっきりしないのだけれども、 地元の出版社が出した本で○○といったような本はないかとの問い合わせを受けました。 日ごろ、地元の本はきちんとマーク…

『ダム撤去』

売れなかった本のはなしです。 2004年に発売された本で 青山己織訳『ダム撤去』 岩波書店 2,800円+税 という本を長い間店においていたのですが、なかなか売れなかったので、 今年8月の棚卸のときに、必要な本でもあったので自分用で買ってしまいました。 民…

藤沢周平『密謀』と『天地人』

私はなかなか見ることのできないNHK大河ドラマ『天地人』ですが、 石田三成を中心とした豊臣方と徳川家康とのかけ引きが、 今週、来週あたり、いよいよ面白くなるはずです。 これまで格別魅力的な人物とも思えなかった石田三成ですが、 自己の責任を全うする…

慰問袋の手紙

先日、月夜野の実家の叔母のところに挨拶に寄ったら、こんなものが家の奥から出てきたと、面白いものを見せてくれました。 戦争中に女学生が戦地へ行っている兵隊さんあてに書いた手紙の返事の束です。 話を聞くと、戦地の兵隊さん宛てということで、書くと…

9月のおさえておきたい本

【一般書】 〇 谷川俊太郎 『詩の本』 集英社 1,700円+税 (4日) 〇 『普及版 斎藤一人の絶対成功する千回の法則』 講談社 1,000円+税 (7日) 〇 H・P・ラヴクラフト『文学における超自然の恐怖』 学研 2,500円+税 (8日) 〇 鎌田東二 『神と仏の出逢…

それでも、日本人は「戦争」を選んだ

おすすめ本の紹介。 加藤陽子著 『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』 朝日出版社 定価 1,785円 今の時代では、ちょっと誤解されそうなタイトルですが、これはわたしの好きなタイトルのつけ方です。 とくに、わたしのホームページ「かみつけの国 本のテー…

新創刊「atプラス」

このところ歴史のある雑誌の休刊、廃刊ばかり話題になっていましたが、そうした時代には珍しい雑誌の創刊の話題です。 といっても、別タイトル「季刊at(あっと)」として別会社から出ていたものを太田出版が引き受けて、新創刊されたものです。 「atプラス …

群馬県立歴史博物館長 黒田日出男さんのこと

7月25日(土)に群馬県立歴史博物館の企画、第1回館長講座「埴輪の歴史を読む」に行ってきました。 群馬県立歴史博物館長 黒田日出男さんの講演は、とても評判がよくなかなか予約もとれないことも多いほどであるとお客さんから聞いていたので、今回、参加す…

8月のおさえておきたい本

【一般書】 〇 吉村昭『七十五度目の長崎行き』 1,600円+税 (7日) 〇 司馬遼太郎 『ひとびとの跫音』 中央公論新社 1,500円+税 (10日) 〇 バートランド・ラッセル 『怠惰への賛歌』 平凡社 (10日) 〇 火坂雅志『墨染の鎧 (上)(下)』 文芸春秋 (…

小町噺三題

最近買うお米、身近にお米屋さんといのを見かけなくなってから もっぱらスーパーで買うしかなくなってしまった。 馴染みの酒屋にいくと、その時々のお勧めの上等な美味い米が買えるのですが、 日常で使うにはちょっと高い。 やっと見つけた米屋さんに駆け込…

良寛についてのいい本はないですか?

仏教関係の話をよくするある常連のお客さんから、良寛についての何かいい本を紹介してくれないかと聞かれました。 そのお客さんは、日ごろから仏教関係のかなり難しい本を買っていかれる方だったのですが、 なぜか良寛は、まだじっくり勉強したことはなかっ…

梅じいちゃん、ありがとう

店を留守にしている間に、赤城の梅じいちゃんが、ひとりでバスに乗って来てくれました。 いろいろ用があったそうですが、1冊注文だけして帰っていったらしい。 昨日、その注文の本を持って梅じいちゃんの家まで行ってきました。 すると、店にこれまで買った…

7月のおさえておきたい本

【一般書】 〇 佐野洋子 『問題があります』 筑摩書房 1,500円+税 (9日) 〇 柴田翔 『闊歩するゲーテ』 筑摩書房 2,800円+税 (9日) 〇 成田龍一 『戦後思想家としての司馬遼太郎』 筑摩書房 2,800円+税 (9日) 〇 桂 直樹 『良寛の百人一首』 近代文…

剱岳 点の記 観てきました

お客さんから、感動の声を聞いてしまったので、早速、観てきました。 これはまだ観ていない方には是非、観ておいた方が良いおすすめ作品です。 と思いつつも、個々の場面を冷静に振り返ると 映像・カメラは85点 演技・演出をひっくるめて85点 脚本は、50点か…

熊野信仰と「義経記」

「義経記」で、義経らが奥州平泉へたどった道のりをみると、しばしばなんでこんな遠回りの道を選ぶのかと疑問に思えることがある。源氏系列の武士を頼ることになれば、そう直線的な道のりばかり選べない事情もたしかにわかる。でもどうも納得がいかない気が…

本屋の利益の源

これ、なんだかわかりますか? 100円ショップで買ってくる発砲スチロールのブロックや小物入れ、贈答用の箱などです。 これが、うちの店のなかには100個以上、ある場所に隠されています。 そしてこの1個100円の小物が、店の資金を浮かせて棚回転をあげ、お…

奈良・熊野紀行の冊子

室生寺、奈良、吉野、熊野へ行った写真や文をまとめる作業に、思いのほか手間がかかっています。 20ページほどのダイジェスト版を先につくったのが、なかなかの評判だったので、文章もだんだん増えてきてしまった。 完成まではまだ1ヵ月くらいはかかりそう

【6月のおさえておきたい本】

○ 福島正樹『院政と武士の登場 日本中世の歴史 2』吉川弘文館 2,600円+税(1日) ○ 佐伯誠一『建礼門院という悲劇(仮)』 角川学芸出版 定価 1,500円+税(5日) ○ 丸山健二『百と八つの流れ星 上・下』岩波書店 定価 各巻1,800円+税 ○ 宮尾登美子『人生…

古神道から視た猿楽師たち

今週の「週刊世界百不思議」の特集が 「スクープ!!『徳川埋蔵金』赤城山発掘現場の今」 講談社 580円 でした。 水野智之さん、がんばってるな~。 もう76歳になるそうですが、水野さんはけっこういい本も書いているのですよ。 この発掘に投じた資金は350億…

謎解き日本史(古代史を中心に)フェアをはじめました

一部予告していました、「謎解き日本史フェア」のコーナーをつくりました。 私個人が5月の連休明けに、奈良・熊野へ行く興味もあって、資料集めをしていて思いついたフェアです。 当初、謎解きというテーマを、関裕二さんと群馬県立歴史博物館館長の黒田日出…

5月のおさえておきたい本

○ 井上ひさし『ムサシ』集英社 1,200円+税 (1日) ○ 梨木香歩『f植物園の巣穴』朝日新聞出版 1,500円+税 (7日) ○ 岡崎寛徳『鷹と将軍 徳川社会の贈答システム』講談社 1,500円+税 (7日) ○ 清川妙『88歳。生き方上手の心ノート(仮)』海竜社 1,500…

古典文学全集いろいろ

来月、熊野方面にいくのでその準備をしながら、『梁塵秘抄』を少し勉強しておかなければと、専属の先生(?)に伺いをたてたら、実に様々な種類の『梁塵秘抄』を見せてくれました。 先生(?)曰く、私は小学館版の古典文学全集が一番読みやすいと思ってるけ…

三重塔の魅力

最近、上毛新聞社から本多忠衛著『三重塔を訪ねて 第二巻 長野・山梨・岐阜・滋賀編』(定価 本体3,200円+税)が出ました。 前の第1巻、(関東(北部・中部)編) とは違い、身近な場所ではないので横目で見過ごしていたのですが、たまたま雑誌で見返りの…

千回、1万時間の原則=自分の時間

昨日、お客さんと話していてこの話題になった。 ちょうど最近の新刊、野口吉昭『コンサルタントの習慣術 頭を鍛える「仕組み」をつくれ』(朝日新書)のなかに1万時間の原則のことが書かれていました。 どんな分野でも一流のプロに例外なく共通する「時間」…

貫前神社の謎

上州の一宮神社として歴史のある貫前神社。 群馬県人であれば上毛カルタの 「ゆかりは古い貫前神社」 と誰もが知っていることと思います。 この神社は珍しい下り参道が有名なのですが、今年、初詣に行ったとき、それが上ってから下る参道であることを知りま…

渋川の桜スポット

桜の名所は、どこも季節になると報道されて穴場などそうあるものではありませんが、木の本数の多さ、スケールで圧倒するところや銘木で話題になっている場所がほとんどで、その桜の木のまわりのロケーションの素晴らしさで認知度の高い場所は、意外と知られ…

【4月のおさえておきたい本】

【4月のおさえておきたい本】 ○ 『日本語で読むということ』水村美苗 筑摩書房 定価 1,600円+税 ○ 『日本語で書くということ』水村美苗 筑摩書房 定価 1,600円+税 ○ 『運命の人 1、2』山崎豊子 文芸春秋 定価 各巻1,333円+税 ○ 『私とは何か さて死んだ…

期待される黒田日出男さん(群馬県立歴史博物館館長)

最近、少し遅い昼食をとりながらテレビをみていたら、国宝絵画の値段ランキングが出ていました。 私が上位に予想したのは、尾形光琳や俵屋宗達、長谷川等伯、雪舟などの絵画ですが、これらの有名な絵画はいずれも20億円以上するものではありましたが、ベスト…

吾妻町の仙人窟

昨日、墓参りに行くとき、ちょっと遠回りだけど是非連れに見せたくてまわってきました。 県道から200mほど登ったところにあり、入口高さ8m、幅14m、奥行き26mの洞窟。 吾妻33所観音の第8番札所ですが、わたしは真田ゆかりの地のひとつとして昔訪ねた場所…

待望の本、田村貞男著『箕輪城 残月記』

名将としての呼び声が高いにもかかわらず、いまひとつ地元以外での知名度が低い箕輪城主、長野業政に関する本の刊行が相次いで嬉しい限りです。 残念ながら、地元でも箕郷町周辺以外では、群馬県人ですらあまり知られていないようです。 この長野業政と上泉…