~ここから新しい世界に出会える~正林堂

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慰問袋の手紙

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先日、月夜野の実家の叔母のところに挨拶に寄ったら、こんなものが家の奥から出てきたと、面白いものを見せてくれました。

戦争中に女学生が戦地へ行っている兵隊さんあてに書いた手紙の返事の束です。

話を聞くと、戦地の兵隊さん宛てということで、書くときは誰宛ということなく、内地の女学生が手紙を書いて、慰問袋のなかにそれを同封して、どのように振り分けられるのかはわからないが、様々な戦地の兵隊さんのところに届くようになっているようです。

それに対して、差出人の方は名前、住所が書いてあるので、兵隊さんからそれぞれに丁寧な返事が届くのだという。

昔は町名があれば、番地なんかいらなかったらしいですね。

お互いまったく面識のないもの同士の手紙の交換で、ほとんどが一回きりのやり取りであったと思われますが、互いの字をみて、文章をみて、どちらも胸の高まりを感じながら様々な空想をしていたことと思います。

叔母は、先日、偶然これをみつけだしたらしく、もっと早く探し出していれば、相手を探し出して訪ねていけたのにと、とても悔しがっていました。

どの手紙も達筆、勢いのある筆致で、短くも心のこもった文章でした。

叔母も当時のことがいろいろ思い浮かんできたのでしょう。感慨深げに見入っていました。

なにげなく家に残っていたこうした資料は、とても貴重なものです。
叔母は偶然見つけたようですが、多くのこうした資料は、誰にも知られないままに消えていってしまっているのでしょう。


先月だったか、「硫黄島からの手紙」テレビでもやってましたね。

それにしても字が上手いって、羨ましい。