~ここから新しい世界に出会える~正林堂

渋川市の書店「正林堂」からお店の企画、本の紹介、地域の情報などを気ままに発信します。

上野国「草の者」研究所・大疾歩

『天狗剣法』待望の文庫化

地元にとってはとても大事な本なのですが、長らく手に入らないままだった本、津本陽著『天狗剣法』が文庫化されて、ようやく手に入るようになりました。 これも発売元のPHP研究所が、今まではどちらかというとノンフィクション中心で、フィクションをカバー…

吾妻町の仙人窟

昨日、墓参りに行くとき、ちょっと遠回りだけど是非連れに見せたくてまわってきました。 県道から200mほど登ったところにあり、入口高さ8m、幅14m、奥行き26mの洞窟。 吾妻33所観音の第8番札所ですが、わたしは真田ゆかりの地のひとつとして昔訪ねた場所…

異議アリ、忍者検定

滋賀県の甲賀の里にて、第1回忍者検定なるものが開かれたニュース。 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080329-00000036-kyt-l25 面白い良いことだと賛辞したいところだが、 かみつけの国 「草の者」研究所としては、 その内容をよくみると、あまりにも…

死シテ屍 拾フ者ナシ

前回、忍者と修験道・山伏の仕事を同時にひとりの人間がこなしている例をあげましたが、また当初の予定とは違う流れに行きます。 毎度、無計画ですみません。 真田忍者がそれまでの通常の忍者よりも高い地位が認められていたことが、 池波正太郎の小説のなか…

真田忍者「草の者」

ここまで、修験道の周辺に位置する非定住民の文化として、マタギ、河原乞食などに起源をたどる芸能民、そして陰陽師などに触れましたが、次に取り上げたいのは「忍者」です。 戦国時代に限らず、戦(いくさ)の場では諜報活動が戦いの勝敗を大きく握ることは…

之を語りて平地人を戦慄せしめよ

遠藤ケイ 著 『山界異聞 おこぜの空耳』 かや書房 (1991/10)定価 本体1,748円+税 深山分け入っていくと、鬱蒼とした原生林が忽然と開け、その一か所だけ、まるで箒で掃き清められでもしたような不可思議な空間に遭遇することがある。歯だ類や蔓が、他の植…

草の者になる

無理! 草の者のトレーニングのつもりで、 午前0時30分、月夜野から中之条を目指して 直線で夜がけ歩きをしようとしたが、 昼間の訓練もしないで、いきなり道なき道を 暗闇のなか突っ走るなんて、とてもできるものではなかった。 ちょうど半月で月明かりは…

草の者の道

先に里人に見えぬ道について、サンカ、山伏、マタギなどをとりあげて話しましたが、 もうひとつ大事な役者が抜けてました。 それは忍び、忍者です。 これは、文字どおり道なき道をかけるのですが、 上州、信州の間では、伊賀、甲賀に劣らず、真田の忍びが活…

大疾歩(おおのり)

前回、残雪期の尾根ルートに代表される 見えない高速(幹線)道路のはなしをしましたが、 旅に限らず、一定度の距離を歩いて移動することには、 格別の意味合いがあるのではないかという気がしています。 テーマ館のなかの 「幻の漂泊民・サンカ」と「風の王…

山の民の高速道路

先日、熊谷達也の本を探しているお客さんとレジでいろいろ話していたら、 マタギの話題でたいへん盛り上がってしまった。 そのお客さんは熊谷達也の本がきっかけでマタギに興味をもつようになり、 時々、車を山形、秋田までとばして、 小説の舞台になってい…