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スティーブ・ジョブズ 神の交渉力

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竹内一正著『スティーブ・ジョブズ神の交渉力』
  経済界 定価 本体800円+税

iPhoneで世界中を騒がせた最中に引退するスティーブ・ジョブス
その優れたプレゼン能力は、今ではYOUTUBEで簡単に見ることができますが、私はこれまでその人物伝についてきちんとした本を読んだことはありませんでした。

こうしたひとつの時代を鋭角に切り開いた人物の評価、見方はとても難しい。
とりわけ、単純に事業で成功したということではなく、あまり前例のない戦略で試行錯誤を重ねてきた経歴があるだけに、見る人によっておそらく評価は大きく異なるだろう。

その点、本書は決して独自調査を重ねたようなしかりとした本というわけではなさそうですが、
スティーブ・ジョブズの概要を簡潔に知るには格好の1冊です。

ざっと目次を見ただけでもそれはわかります。

1章「言い方」は「言い分」より交渉を支配する
  ジョブスの「情報支配」VS凡人の情報秘匿

 「ニュース」が流れを変える
    ブレイクスルーの始まり方
    負けたときほど「前に出る」ことだ
    「不可能」の反対語は「可能」ではなく「熱意」
 「あいにくダメだ」から交渉は始まるのだ
    公開は後悔になりやすい
    いきなり「直球をぶつける」技術
    気難しさは戦略になる
  無口は一種の武器である
    なぜアップルに「秘密警察」ができたのか
    ジョブズの情報ルール
    情報にもp「小出しはダメ」が当てはまる

2章 弱い味方は潜在的な敵方である
     ジョブズの「非情」VS凡人の温情

 「和」では勝てない、勝ってこそ和せる
    反省よりも反撃に徹するのがジョブズ
   「みんなで」は自信をつくらない
 味方を信じすぎると打つ手が限られる
   最大の味方は最大の敵にもなる
   「年俸1ドル」の舞台裏
   表舞台に立つから立役者なのだ
     
    (略)
3章 妥当な案より「不当な案」で交渉を動かせ
     ジョブズの無謀VS凡人の無難

  勝つことは自分の中の弱さを消すこと
   限界を感じたとき「プロの知恵」が始まる
   全米で一番有名な広告
   奇跡を起こす魔法の言葉
   野望は無謀を可能にする
 「必要なら」動け、「可能なら」ではない!
  「大切だがおもしろくない」仕事では人は動きにくい
   現実無視の効用
   息切れしたらどうするか
 目標を高めれば能力も高まる
    
    (略)

4章 最善の説得術は棍棒でたたくことだ
     ジョブズの「攻撃」VS凡人の防御
    
    (略)

5章 楽観は考えなしだが、悲観は能なしだ
     ジョブズの「遠交」VS凡人の近攻
 妥協で勝利は得られない
  こだわりは吉凶どちらをもたらすか
  ゲイツジョブズよりなぜ金持ちなのか
  iPodが売れた本当の理由
 「自分のやり方」ではなく「最高のやり方」を選べ
  ジョブズがインドで考えたこと
  独創は「とことん」から生まれる
 お金以外のプラスで相手を揺さぶれ
  ジョブズの音楽業界説得術
  現実的な答えには常に力がある
  なぜジョブズは人任せを極端に嫌うのか
 「しなかったこと」を強調せよ
  「まるで高給を嫌がっているかのようだ」
  赤字に囲まれてジョブズがしたことは・・・・
  お金より名誉より人をよく動かすもの
 「細部に口を出すリーダー」の功罪
  現実を先んじて制するには
  データに縛られない効用

6章 失敗と思わなければ決定的失敗ではない
  ジョブズの「リベンジ」VS凡人のリカバリ

 一番いい待ち方は準備しながら待つことだ
  人員削減の直後に起きたこと  
  「つらいときにこそ自分の価値がわかるんだ」
  土俵を降りたら少なくとも勝ちはない
 信義違反さえ正当化する交渉術
(略)
 強さは速さから生まれる
   (略)
 場を変えることは立場を変えること
   (略)

7章 「待ち」は勝ちの重要な一部をなす
     ジョブズの「緩急」VS凡人の性急
   (略)

ビジネス戦国時代を生き抜いてきた人らしく、とっても面白い内容になっている。

当店は残念ながら、こうしたビジネス書を買うお客さんはあまり来店されない立地なのですが、800円と単価が安いこともあり、コンピュータ書のグーグルなどの戦略についての本のならびでおいてみました。

同じ最前線のビジネスでも、最大公約数でしかものごとをまとめられない大企業、大手銀行、日本○○新聞社などには、ほとんど理解できない世界の話かもしれない。