~ここから新しい世界に出会える~正林堂

渋川市の書店「正林堂」からお店の企画、本の紹介、地域の情報などを気ままに発信します。

軍隊のない国家  27の国々と人びと

イメージ 1

『軍隊のない国家 27の国々と人びと』
前田朗/著

出版社 日本評論社
出版年月 2008年4月  税込価格 1,995円

高校の図書館からの注文で、遅ればせながら知った本です。


世界には軍隊のない国家がたくさんあります。
なぜ、どのようにして軍隊を持たないようになったのか。
外交や安全保障はどうしているのか。
軍隊を持たないことが内政にどのような影響を及ぼしているのか。
軍隊を持たないコスタリカの教育重視は有名だが、他の諸国はどうであろうか。

軍隊のない国というと、どうせ小さな国々のはなしばかりだろうと思われるかもしれませんが、非戦、反核、非同盟政策、侵略戦争の否認、国際紛争の平和的解決、国家政策を遂行する手段としての戦争放棄、外国軍隊の通過禁止・外国軍事基地の非設置などなど平和維持のプロセスにはさまざまなかたちがある。

力の均衡によって安定が維持されている現実があるにしても、それ以外の選択肢が決してないわけではないということを、これらの国の事例からみてほしい。

日本の硬直化した安全保障論議憲法論議、非核論議に貴重な視点を加えてくれる本であると思います。

戦争は政治の延長であるという大原則を、今の政治家に期待してもしょうがない気もしますが、頭を少しでもやわらかくするために、おすすめの1冊です。



[目次]
序章 なぜ軍隊のない国家か
第1章 隣国には軍隊がない
 ―ミクロネシア(史上初の非核憲法ミクロネシア連邦親日で知られるパラオパラオ共和国 ほか)
第2章 非核の南太平洋を
 ―ポリネシア(非核条約をつくる―クック諸島;太平洋の岩―ニウエ ほか)
第3章 戦争の記憶をめぐって
 ―メラネシア日本兵餓死の島―ソロモン諸島;女性がつくった憲法―ヴェヌアツ共和国)
第4章 軍隊のないイスラム
 ―インド洋(豊かな虹の国―モーリシャス共和国;100%イスラム教―モルディヴ共和国)
第5章 大国の狭間で生きる
 ―ヨーロッパ(700年の平和の旅―アンドラ公国;城塞に囲まれた共和国―サンマリノ共和国 ほか)
第6章 自由と独立を求めて
―中米・カリブ海ハミングバードの聖地―ドミニカ国;二つの革命の記憶―グレナダ ほか)
終章 憲法第九条を活用するために