~ここから新しい世界に出会える~正林堂

渋川市の書店「正林堂」からお店の企画、本の紹介、地域の情報などを気ままに発信します。

苦手な政治談議

 私は、政治的な発言をすることが多いと思われがちですが、政治談議そのものは、
なぜかとても苦手にしています。

理由はいろいろとあるのですが、思いつくことをあげると
・人一倍、新しい組織をつくるのは好きでありながら、固定した組織に属することが嫌いなネコ型、一匹狼型の性格。
議席数至上主義と多数の正義を少数の人間におしつける民主主義に今、とても敵意を感じていること。
・現実政治の誰々がどうしたといった情報そのものに疎いこと。

などがあり、よくまわりでポンポン飛び出す会話にはついていけないことが多いのです。
政治談議に限らず、頭の回転はのろいほうなので、大勢の会話に入ることはいつも苦手にしています。

 でも、黙ってはいられないことはたくさんある。

 外の名前連呼するだけの宣伝カー、もういい加減にして欲しい。
 どっかの党首、軽はずみに「政治生命賭ける」なんていう前に、ちゃんと自分の仕事しろ!
 討論番組で、会話の間をまったくおかずに軽い言葉を隙間無く、まくしたてる議員は見てるだけで気分が悪くなってしまう。

 サービス業に携わるものは、政治と宗教の話題はタブーであるとよく言われますが、
それをタブー視してしまったら、自分の直面している問題解決の糸口が無くなってしまうので、出来れば、活発な議論が交わせるような店でありたいと思ってます。
 もちろん、店の考えとしてではなく、個人個人の意見を交わす場としてね。

 そんなこんなで、思い切って苦手な政治の話題を今回取り上げることにしました。
 しばらく政治漬けになってみようかな。

それというのも、ほんとはすぐに取り上げたかった
久間章生防衛相が日本への原爆投下を「しょうがない」と発言した問題。

ニュースの関心ランクでも1位になってましたが、
この常識を疑う意見は圧倒的多数でありながら、この手の発言が後を絶たないのはどうしてですか?

でも、その前に、
先日、東京で会ってきた昔の同僚と話したことを、どうしても書いておきたい。
その彼、今、民営化目前の郵便局に勤めています。

民営化目前というのに、これから郵便局がどうなっていくのか
まったく現場で見えていないというのです。

巨大化した郵政事業の金融部門を切り離すことは賛成ですが、
ヤマト、佐川が追い上げる環境のなかで、郵便事業をどうしていこうとしているのか?
現状では、新しいサービスといっても、すべてヤマトの後追いでしかない。
ここであらためて、いったいなんのための民営化なのかと思った。

経営効率をあげるためだけの民営化であれば、一部経営陣の頭を変えるだけでは
とてもヤマトのサービス、経営レベルを追い越すことは出来ないだろう。
今、郵便局の現場では、ヤマトの後追いサービスを古いシステムのまま消化することに追われ、個人情報保護に振り回され、誤配の対策やそのお詫びに追われるばかりのようだ。
悲しいかな労働強化、管理強化でしか問題解決を考えていないようにしか見えない。

現郵便局は、民営化して、どうヤマト、佐川に対抗しようとしているのか。

これからの時代、情報・通信、物流事業がどう変わろうとしているのか
民営化を議論して決めた政党の政策レベルでも、グランドデザインはまだなにも書かれていないまま、もうじきスタートしてしまう。

そもそも、宅配小包・郵便事業のこれからはどうなっていくのか、酒の酔いも覚めた朝、次のような話をした。

現在は、いかに正確に安く、指定の時間にものを届けられるかが最大の関心事になっているが、それだけではもう先がないことが見えている。
 世の中全体は、リアルの対面販売の比率が、無くなることはないにしても限りなく半減していく。ネット・通販などの比率が拡大するなか、企業はさまざまな特典をつけて、電子マネーなども取り込み顧客データを集め、顧客の囲い込みに必死になっている。

 そこで問題になってくるのは、顧客の最も近くで、かつての売り子の役割を果たす存在はどこにあるのかということです。
 ネット。通販ではカスタマーサービスとしてのオペレーションシステムの構築を強化をはかるのは当然であるが、これから、最も顧客の正面に立つ顔となるのが、物流業者であることが注目されだすことと思う。
 企業の囲い込んだ顧客情報とは別に、一軒一軒の顧客情報を最もつかんで、最もダイレクトに顧客と接する立場にあるのは物流業者の配達人である。このことがこれからの時代、大変な強みになる。
 現状ではセールスドライバーなどと呼ばれるように、売り込むことも同時に要求される立場にあるが、物流業者のこれからの強みは、売り込むことよりも、顧客の要望を一番信頼されて聞ける側になれるということだ。
 ほとんどの宅配を受け取る側は、毎日、何の売込みか絶えず警戒しているのが常態化している。それにたいして、いつもモノを届けてくれる同じ人間がいれば圧倒的な信頼を得ることができる。それは売り込むことなく、顧客の望んだものをひたすら届けてくれる存在だからだ。
 またその存在は、見回りの警官や介護職員以上に地域の情報に密着した位置に立ちうるともいえる。

 まさにこれこそ、公共性が発揮される物流事業の姿ではないだろうか。
さんざん槍玉にあげられていた特定郵便局の問題も、まだなにも解決していないが、本来、地域情報に精通した人こそ物流の中心にいるべきだ。
 特定郵便局の特権や仕事意識を変えることが困難であるから解体するべきであるとしても、本来の地域に根ざした特定郵便局のよな役割はこれからも求められる。

 情報セキュリティーの面からも、顧客の詳細情報は本社・本部などで一元管理せず、各特定郵便局レベルのエリア内でのみ保持し、統計的外郭情報のみ本部で一元管理する。

 たしかに郵便、鉄道などハード面のインフラ整備の時代は終わったので、そこに公共性を強いる必要なはいが、情報・通信・運輸の領域のソフトの面はこれからその公共的性格が一層問われる時代になってくるはずだ。
 増してや高齢化社会、独居老人、在宅勤務の仕事が増える時代のこと。

 と、私は思うのだが、誰かこのへんのこと詳しく語っている人はいないのかな。