~ここから新しい世界に出会える~正林堂

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プッチーニ 音楽家の本

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刊行予告が出てから待ち望んでいた待望の1冊!
ルイジ・リッチ著
プッチーニが語る 自作オペラの解釈と演奏法』
音楽之友社 4,500円+税

プッチーニのオペラ『トスカ』は、『ラ・ボエーム』とともにオペラ芸術の頂点に位置する作品だと思う。
もちろん、明るいベルディの作品や壮大なワーグナーも悪くない。
サムソンとデリラ」や映画「DIVA」で歌われるアリア(何だっけ?)もすばらしい!

でも、胸を締め付ける恋の旋律の美しさ、場面の緊張感などにおいては、プッチーニのそれに勝る作品はないのではないかと私は思っている。

ちょうど最近、ブックオフナクソス・シリーズの「トスカ」を500円でゲットしたとこ。
これは2枚組で、妙に多いなと思ったら、フランス語版トスカの抜粋がいっしょになっていた。最近は車のなかで、ずっとこれをかけっ放し。

そんなプッチーニが、自身の作品について注釈を残していたという。
楽器演奏の注釈と異なり、ドラマの演出のためにオケが、歌い手が、どのような解釈を求められるのか、作曲家自身がどのような意向を持って書いたのかは、とても興味深い。

作曲家自身が書き残したものとしては、ワーグナーのそれが、オペラを総合芸術として完成させるためのものとして有名で、邦訳の全集も出ている。
値段が高いので1冊だけ買ってみたが、作曲家、演奏家の注釈本ではなく、それは完全な理論書のような本だった。
他に、ドビュッシーなど何人かの作曲家の著作が、岩波文庫でも出ています。

個人的には、坂本龍一の『音楽史太田出版 8,054円などは、すばらしいと思うのだけど、せっかくの労作もクラシックの世界では相手にされていないみたい。

シェーンベルク以降の現代音楽ともなると、音そのものの受け取り方に、ナマの音に劣らず、その作曲者の考えや、音の意味づけを知ることがとても大事になってくるので、自然と著作も多くなってくるが、シェーンベルク以前では、作曲家が文章で説明するなどというのは、ややもすると下手の言い訳ともなりかねない。

でも、ベートーヴェンピアノソナタ弦楽四重奏曲などに関する解説書は、音楽的知識の乏しい私のようなものでも、とても読みがいのあるものです。

そんな魅力を、このプッチーニの本は持っているのではないだろうかとの期待が、刊行が発表されたときからずっと持ち続けていた。

ちょっと高い本なので、まだ買えずに中をのぞき見しただけですが、正直なところ、長い文章が書いてあるわりには、プッチーニがそこをどう指示しているのか、独自の意向がわかるような部分は少ない気がした。

でも、
こんな本、
滅多に出ないし、
刷部数も当然少ないだろうし、
自分の好きな作曲家の本だし、

買わないわけにはいかないだろうなぁ・・・・

♪ミーミーッ!