~ここから新しい世界に出会える~正林堂

渋川市の書店「正林堂」からお店の企画、本の紹介、地域の情報などを気ままに発信します。

ぐんまの伝統食

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『ぐんまの伝統食』
  上毛新聞社 定価 本体1,800円+税

かつて上毛新聞のくらし面とCOM面に連載したものをまとめた本です。

この本、新刊書なのに実際にお店に届くより1週間も前に上毛新聞に広告が出てしまい、お客さんには大変失礼なことをしてしまいました。
現品が届いたのは、今週の火曜日。
地元の出版社の本は、大手取次を経由しないため、発売日がばらつくことが多いのです。
そんなときに、他店には入っていたなんて話を聞くと、どうせうちなんか小さな店だから、だいぶ後になるだろうなどど、いつもすねてしまうのです。


群馬の伝統食といえば、やはりうどんをはじめとする粉モノが多い。
本書で取り上げられている料理は、それぞれの地域では、比較的スタンダードなものとして今もかろうじて受け継がれているものが多いのだけど、こうした調査・記録を経ることなく、各家庭だけに受け継がれているもの、あるいは既に消えてしまったものなどは、いったいどれほどあるのだろうか?

これからの時代は、そうした埋もれた料理が、こうした新聞社や研究者にたよることなく、ブログなどで写真や動画でたくさん出てくるのも楽しみですね。

私にとっては、やはり地元月夜野の「冷や汁」142ページがすぐ目につきました。
キュウリを薄く切ってシソなどを加えた冷たい味噌汁。
冷たい味噌汁なんて聞いただけで驚く人もいますが、私たちは、小さいときからこれを当たり前のものとしてすすっていた。
簡単に作れるので、キャンプなどの時に作ってあげると、みんなに喜ばれました。



本書は、1990年に刊行された下記の本の編集にも参加された方も書いているようです。
『日本の食生活全集 聞き書 群馬の食事』
  農山漁村文化協会 定価 本体2,762円+税

こちらの本は刊行から30年近くたつ本ですが、郷土料理研究の決定版として、今もコンスタントに売れ続けています。
上州またぎの熊猟のことも詳しくふれているので、「かみつけの国 本のテーマ館」のなかの「マタギに学ぶ自然生活」のページでも紹介させていただいてます。
http://kamituke.hp.infoseek.co.jp/page136.html

他に、
『伝統の素材を生かす 日出山みなみの新野菜料理・・・・群馬』
  農山漁村文化協会 定価 本体1,714円+税
がありますが、こちらは伝統素材を生かしたしゃれた創作料理の本で、
こんな料理を囲炉裏端で酒を飲みながら食べられたら、どんなに幸せだろうと思うようなものばかり掲載されています。

ああ、旨い日本酒が飲みたくなってしまった。