~ここから新しい世界に出会える~正林堂

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やりがいある仕事を市場原理のなかで実現する!

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渡邉正裕
『やりがいある仕事を市場原理のなかで実現する!』
光文社
定価 本体1,500円+税

うちのお店ではうっかりノーマークの本でした。余所のお店で見つけた本です。

「好きな仕事は、金儲けにつながらない。」
NPOや地域活動など、理念型の仕事で食べていくのは大変。」
などといった常識は、ほんとうにそうなのでしょうか?

この著者の事例は、必ずしも誰もが真似をできる一般的な例ではないかもしれませんが、
上記の過去の常識が、必ずしも必然的な理由によるもので避けられないことであるとは限らないことだけは、本書を読んでよくわかるのではないかと思います。

いかなる事業にしても、きちんとした市場を見極めたうえで、確固としたビジネスモデルを構築することが、いかに大事であるかが著者の経験によってわかりやすく立証されています。

ネット中心のビジネスが拡大する一方で、広告収入によってしか成り立たないかのような既存のビジネスに対して、貴重な突破口を示してくれてもいます。

このことをよく突き詰めてみると、必ずしも起業といった視点だけではなく、
きちんとした仕事を持続していくうえでは、誰もがきちんと考えなければならないテーマであることに気付きます。

空前の不況と雇用不安が襲ってきている今、緊急策としての各種の助成は必要なことですが、
実態からすればすべての業種において、既存のまだ危機に瀕しているとはいえない産業も含めて、
何で食べていけるのかということを真剣に捉えなおすことが求められている時代だと思います。

このような時代であるからこそ、本書のテーマは、多くの人に普遍性をもって受け入れられる土壌があるのではないかと思います。

この視点をおさえずして、これからのビジネスは語れないでしょう。