今年の本を振り返ると
この時期になると各分野でこの一年をふり返る特集が出てきます。
本の年間ベストセラーランキングも、大手書店や主要取次などからそれぞれ発表されています。
最近は、なんとなくしかけ販売でヒットした作品が多くなってきたような気がします。
うる技術が進歩してきたようでもありますが、どうもベストセラー偏重の傾向は強まるばかりです。
一応、大手(紀○国屋書店)の発表を転載させていただきます。
年間売上げランキング (2007.11―2008.10 単行本・新書売上げベスト100より上位30)
1 『夢をかなえるゾウ』 水野敬也/飛鳥新社
2 『ホ-ムレス中学生』 田村裕/ワニブックス
3 『女性の品格』 坂東真理子/PHP研究所
4 『ハリ-・ポッタ-と死の秘宝』 J.K.ロ-リング 松岡佑子/静山社
5 『B型自分の説明書』 Jamais Jamais/文芸社
6 『生命の法』 大川隆法/幸福の科学出版
7 『O型自分の説明書』 Jamais Jamais/文芸社
8 『親の品格』 坂東真理子/PHP研究所
9 『A型自分の説明書』 Jamais Jamais/文芸社
10 『おつまみ横丁』 瀬尾幸子 編集工房桃庵/池田書店(新宿区)
11 『脳を活かす勉強法』 茂木健一郎/PHP研究所
12 『ザ・シ-クレット』 ロンダ・バ-ン 山川紘矢/角川書店
13 『AB型自分の説明書』 Jamais Jamais/文芸社
14 『おひとりさまの老後』 上野千鶴子/法研
15 『お金は銀行に預けるな』 勝間和代/光文社
16 『悩む力』 姜尚中/集英社
17 『ミシュランガイド東京<2008>』 日本ミシュランタイヤ
18 『大人の見識』 阿川弘之/新潮社
19 『ルポ貧困大国アメリカ』 堤未果/岩波書店
20 『流星の絆』 東野圭吾/講談社
21 『生物と無生物のあいだ』 福岡伸一/講談社
22 『ヘキサゴンドリル』 扶桑社
23 『からだにおいしい野菜の便利帳』 板木利隆/高橋書店
24 『新・人間革命 第18巻』 池田大作/聖教新聞社
25 『1分骨盤ダイエット』 大庭史榔/三笠書房
26 『人間の関係』 五木寛之/ポプラ社
27 『ダ-リンは外国人with baby』 小栗左多里 トニ-・ラズロ/メディアファクトリ-
28 『心と体のほんとうの関係。』 大川隆法/幸福の科学出版
29 『余命1ケ月の花嫁』 東京放送/マガジンハウス
30 『日本の10大新宗教』 島田裕巳/幻冬舎
これでは面白くないので、
2008年私が個人的に印象に残った本(「かみつけ岩坊の雑記帖」より転載)を
リストアップしてみました。
1、DVDBOOK魅惑のオペラ 特別版ワーグナー「ニーベルングの指輪」全4巻
ダニエル・バレンボイム指揮 ハリー・クプファー演出
バイロイト祝祭劇場
小学館
これを本のランキングに入れてよいものかどうか疑問はあるものの、今年はこの映像との出会い、衝撃はあまりにも大きかった。
金融危機という社会情勢の変化も、金銭と契約で成り立つ社会の崩壊というこの楽劇のテーマがダブり、第一位にもってくるに値する作品。これをきっかけに他の「指輪」のDVDも観てみたが、演奏・演出ともにこの演奏は突出していた。金額的にも全巻で18,585円という高額のお買いものなので、重みも増す。
2、坂本光司『日本でいちばん大切にしたい会社』
あさ出版 定価 本体1,400円+税
この本について、今年はどれだけ多くの人と語りあっただろうか。
また新しい出会いも生んでくれた本。
実質、書籍の第1位といって良い本です。
3、柳澤桂子『よく生きる智慧』
小学館 定価 本体1,600円+税
こういう深い詩の良い本は、今、最も新鮮な感動につつまれているが、どのように感じたのか、どのように伝えたいのかをうまく整理して書いて、なおかつそれを伝える相手にたくさん出会わないと、時間とともにランクが下がってしまう傾向にある。
4、井上ひさし『ボローニャ紀行』
文芸春秋 定価 本体1,190円+税
単なる紀行文のような装丁からは想像つかないほど内容密度の濃い本。地域づくりや大学のあり方、文化のあり方を考えるたくさんのヒントに溢れている。
5、塩見鮮一郎『江戸の非人頭 車善七』
河出書房新社 定価 本体720円+税
かつて三一書房から出ていたこの著者の本は手が出なかったが、本書をきっかけに弾左衛門の世界にものめり込んだ。『弾左衛門とその時代』『弾左衛門の謎』など続けて読んだが皆面白い。お店の出足はいまひとつといった感じだったが、最近になって動き出してきた。
6、池田清彦+養老孟司 『ほんとうの環境問題』
新潮社 定価 本体1,000円+税
池田清彦+養老孟司 『正義で地球は救えない』
新潮社 定価 本体1,000円+税
私もアル・ゴアの『不都合な真実』にはのせられた方ですが、最近このふたりに代表される論調が急速に増えてきた。環境問題の欺瞞性を暴くということだけでなく、ものの考え方そのもので学ぶところがとても多かった。
7、田中優子『カムイ伝講義』
小学館 定価 本体1,500円+税
ブログで紹介したように、カムイ伝の謎解きではなく、歴史のオーソドックスな教科書として最適な本。
8、オペラ名作鑑賞 ヴェルディ「アイーダ」
ミラノ・スカラ座/オペラ映画
世界文化社 定価 本体3,600円+税
今年は、このアイーダの感動に始まって、ワーグナーの指輪に終わる年であったといっても過言ではない。オペラというよりも、総合芸術の魅力をあらためて知ることができた。
9、原丈人『21世紀の国富論』
平凡社 定価 本体1,400円+税
本書については、ブログ「未来人とかみつけ岩坊の往復書簡」で、継続して考察していく予定。
10、吉田太郎『世界がキューバの高学力に注目するわけ』
築地書館 定価 本体2,400円+税
ほんとうは、『200万都市が有機野菜で自給できるわけ』築地書館と今年出会ったことがきっかけ。フィンランドのモデルばかり注目されているが、お金のかからないシンプルでわかりやすいことではキューバの方が凄い。
本の年間ベストセラーランキングも、大手書店や主要取次などからそれぞれ発表されています。
最近は、なんとなくしかけ販売でヒットした作品が多くなってきたような気がします。
うる技術が進歩してきたようでもありますが、どうもベストセラー偏重の傾向は強まるばかりです。
一応、大手(紀○国屋書店)の発表を転載させていただきます。
年間売上げランキング (2007.11―2008.10 単行本・新書売上げベスト100より上位30)
1 『夢をかなえるゾウ』 水野敬也/飛鳥新社
2 『ホ-ムレス中学生』 田村裕/ワニブックス
3 『女性の品格』 坂東真理子/PHP研究所
4 『ハリ-・ポッタ-と死の秘宝』 J.K.ロ-リング 松岡佑子/静山社
5 『B型自分の説明書』 Jamais Jamais/文芸社
6 『生命の法』 大川隆法/幸福の科学出版
7 『O型自分の説明書』 Jamais Jamais/文芸社
8 『親の品格』 坂東真理子/PHP研究所
9 『A型自分の説明書』 Jamais Jamais/文芸社
10 『おつまみ横丁』 瀬尾幸子 編集工房桃庵/池田書店(新宿区)
11 『脳を活かす勉強法』 茂木健一郎/PHP研究所
12 『ザ・シ-クレット』 ロンダ・バ-ン 山川紘矢/角川書店
13 『AB型自分の説明書』 Jamais Jamais/文芸社
14 『おひとりさまの老後』 上野千鶴子/法研
15 『お金は銀行に預けるな』 勝間和代/光文社
16 『悩む力』 姜尚中/集英社
17 『ミシュランガイド東京<2008>』 日本ミシュランタイヤ
18 『大人の見識』 阿川弘之/新潮社
19 『ルポ貧困大国アメリカ』 堤未果/岩波書店
20 『流星の絆』 東野圭吾/講談社
21 『生物と無生物のあいだ』 福岡伸一/講談社
22 『ヘキサゴンドリル』 扶桑社
23 『からだにおいしい野菜の便利帳』 板木利隆/高橋書店
24 『新・人間革命 第18巻』 池田大作/聖教新聞社
25 『1分骨盤ダイエット』 大庭史榔/三笠書房
26 『人間の関係』 五木寛之/ポプラ社
27 『ダ-リンは外国人with baby』 小栗左多里 トニ-・ラズロ/メディアファクトリ-
28 『心と体のほんとうの関係。』 大川隆法/幸福の科学出版
29 『余命1ケ月の花嫁』 東京放送/マガジンハウス
30 『日本の10大新宗教』 島田裕巳/幻冬舎
これでは面白くないので、
2008年私が個人的に印象に残った本(「かみつけ岩坊の雑記帖」より転載)を
リストアップしてみました。
1、DVDBOOK魅惑のオペラ 特別版ワーグナー「ニーベルングの指輪」全4巻
ダニエル・バレンボイム指揮 ハリー・クプファー演出
バイロイト祝祭劇場
小学館
これを本のランキングに入れてよいものかどうか疑問はあるものの、今年はこの映像との出会い、衝撃はあまりにも大きかった。
金融危機という社会情勢の変化も、金銭と契約で成り立つ社会の崩壊というこの楽劇のテーマがダブり、第一位にもってくるに値する作品。これをきっかけに他の「指輪」のDVDも観てみたが、演奏・演出ともにこの演奏は突出していた。金額的にも全巻で18,585円という高額のお買いものなので、重みも増す。
2、坂本光司『日本でいちばん大切にしたい会社』
あさ出版 定価 本体1,400円+税
この本について、今年はどれだけ多くの人と語りあっただろうか。
また新しい出会いも生んでくれた本。
実質、書籍の第1位といって良い本です。
3、柳澤桂子『よく生きる智慧』
小学館 定価 本体1,600円+税
こういう深い詩の良い本は、今、最も新鮮な感動につつまれているが、どのように感じたのか、どのように伝えたいのかをうまく整理して書いて、なおかつそれを伝える相手にたくさん出会わないと、時間とともにランクが下がってしまう傾向にある。
4、井上ひさし『ボローニャ紀行』
文芸春秋 定価 本体1,190円+税
単なる紀行文のような装丁からは想像つかないほど内容密度の濃い本。地域づくりや大学のあり方、文化のあり方を考えるたくさんのヒントに溢れている。
5、塩見鮮一郎『江戸の非人頭 車善七』
河出書房新社 定価 本体720円+税
かつて三一書房から出ていたこの著者の本は手が出なかったが、本書をきっかけに弾左衛門の世界にものめり込んだ。『弾左衛門とその時代』『弾左衛門の謎』など続けて読んだが皆面白い。お店の出足はいまひとつといった感じだったが、最近になって動き出してきた。
6、池田清彦+養老孟司 『ほんとうの環境問題』
新潮社 定価 本体1,000円+税
池田清彦+養老孟司 『正義で地球は救えない』
新潮社 定価 本体1,000円+税
私もアル・ゴアの『不都合な真実』にはのせられた方ですが、最近このふたりに代表される論調が急速に増えてきた。環境問題の欺瞞性を暴くということだけでなく、ものの考え方そのもので学ぶところがとても多かった。
7、田中優子『カムイ伝講義』
小学館 定価 本体1,500円+税
ブログで紹介したように、カムイ伝の謎解きではなく、歴史のオーソドックスな教科書として最適な本。
8、オペラ名作鑑賞 ヴェルディ「アイーダ」
ミラノ・スカラ座/オペラ映画
世界文化社 定価 本体3,600円+税
今年は、このアイーダの感動に始まって、ワーグナーの指輪に終わる年であったといっても過言ではない。オペラというよりも、総合芸術の魅力をあらためて知ることができた。
9、原丈人『21世紀の国富論』
平凡社 定価 本体1,400円+税
本書については、ブログ「未来人とかみつけ岩坊の往復書簡」で、継続して考察していく予定。
10、吉田太郎『世界がキューバの高学力に注目するわけ』
築地書館 定価 本体2,400円+税
ほんとうは、『200万都市が有機野菜で自給できるわけ』築地書館と今年出会ったことがきっかけ。フィンランドのモデルばかり注目されているが、お金のかからないシンプルでわかりやすいことではキューバの方が凄い。