柳澤桂子『よく生きる智慧』
またまた配本、重版のシビアな小学館から、いい本が出てしまいました。
以前、紹介した田中優子の『カムイ伝講義』も、すばらしい本だったのでガンガン売りたいところでしたが、配本が無いのは我われ零細書店には仕方がないとしても、重版自体がなかなかシビアで、せっかくこのブログで紹介しても長い間、自分の店には商品が無い状態が続いてしまいました。
ついでに、この『カムイ伝講義』について補足しておきたいことがひとつ。
文章を読んでいて、田中優子って人はなかなかいいところをつく人だなと感心して読んでいたら、その感心した文章は、みな本書の共著者ともいえる内原英聡という大学院生の担当したところでした。
内原英聡さん、この名前、覚えておきましょう。
そして、今度の小学館の難関は、
柳澤桂子の『よく生きる智慧』
以前、般若心経の心訳として出された『生きて死ぬ智慧』は、テレビ放送などの力もあり、大ブレイクしましたが、
本の奥付を見たら、あれは2004年のことでした。
同じ小学館で加島祥造『求めない』のヒットは昨年のこと。
今回の本は、『生きて死ぬ智慧』みたいなテレビの力を得た大ブレイクは難しい内容ですが、全世界で二千万人が読んだ大ベストセラーが元になっている本です。
しかけ如何では、売れる可能性大ですが、当店のような立場からすると、
一挙にベストセラーになるよりは、口コミなどでじわりじわりと人気が上がってくれたほうが、売りやすい。
そんな外的理由よりも、この詩自体が、わたしにとってはかつて見たことがないほど深く心に残るすばらしいものなので、誰か有名人がうまく紹介してくれれば、かなり普及することも予想されます。
でも、けっこう重い内容なので、そうは化けるとは思えないですけどね。
それでも、詩というものの力、
人のこころの姿というもの
私の最近出会った人との関係などを振り返っても
これほど胸に深く突き刺さる文は、これまで経験がありません。
最初の愛についての詩も
決して美しいばかりの愛ではなく、
「愛の翼のなかに隠されている刃があなたを傷つけるかもしれない」
「北風が庭を荒らすように愛はあなたの夢を打ちこわすかもしれない」
「愛はあなたを麦のように脱穀機にかけて裸にしてしまう。」
という
「けれども、もしあなたがこころの秘密をあばかれることを恐れて、
愛の平穏と快楽だけを求めたいならば、あなたは脱穀機から抜け出して、
一年中笑うけれどもこころから笑うことなく、
泣いてもこころから泣くということのない世界にいきなさい」
また、ふたりの間は適度に距離をおくべきだという。
神殿を支える柱のように。
原文をあまり引用できないので、これだけではとてもその魅力は伝わりにくいかもしれませんが、
少なくとも、周囲の理解を得られないまま苦しい闘病をへた柳澤桂子のこころに、
どれだけこれらの言葉が深く届いたことか、想像に難くありません。
クリスマスのプレゼントにももってこいの本なのだけど、
今、店に残っているのは1冊のみ!
今の追加注文分は、はたしていつ入荷することやら・・・・
以前、紹介した田中優子の『カムイ伝講義』も、すばらしい本だったのでガンガン売りたいところでしたが、配本が無いのは我われ零細書店には仕方がないとしても、重版自体がなかなかシビアで、せっかくこのブログで紹介しても長い間、自分の店には商品が無い状態が続いてしまいました。
ついでに、この『カムイ伝講義』について補足しておきたいことがひとつ。
文章を読んでいて、田中優子って人はなかなかいいところをつく人だなと感心して読んでいたら、その感心した文章は、みな本書の共著者ともいえる内原英聡という大学院生の担当したところでした。
内原英聡さん、この名前、覚えておきましょう。
そして、今度の小学館の難関は、
柳澤桂子の『よく生きる智慧』
以前、般若心経の心訳として出された『生きて死ぬ智慧』は、テレビ放送などの力もあり、大ブレイクしましたが、
本の奥付を見たら、あれは2004年のことでした。
同じ小学館で加島祥造『求めない』のヒットは昨年のこと。
今回の本は、『生きて死ぬ智慧』みたいなテレビの力を得た大ブレイクは難しい内容ですが、全世界で二千万人が読んだ大ベストセラーが元になっている本です。
しかけ如何では、売れる可能性大ですが、当店のような立場からすると、
一挙にベストセラーになるよりは、口コミなどでじわりじわりと人気が上がってくれたほうが、売りやすい。
そんな外的理由よりも、この詩自体が、わたしにとってはかつて見たことがないほど深く心に残るすばらしいものなので、誰か有名人がうまく紹介してくれれば、かなり普及することも予想されます。
でも、けっこう重い内容なので、そうは化けるとは思えないですけどね。
それでも、詩というものの力、
人のこころの姿というもの
私の最近出会った人との関係などを振り返っても
これほど胸に深く突き刺さる文は、これまで経験がありません。
最初の愛についての詩も
決して美しいばかりの愛ではなく、
「愛の翼のなかに隠されている刃があなたを傷つけるかもしれない」
「北風が庭を荒らすように愛はあなたの夢を打ちこわすかもしれない」
「愛はあなたを麦のように脱穀機にかけて裸にしてしまう。」
という
「けれども、もしあなたがこころの秘密をあばかれることを恐れて、
愛の平穏と快楽だけを求めたいならば、あなたは脱穀機から抜け出して、
一年中笑うけれどもこころから笑うことなく、
泣いてもこころから泣くということのない世界にいきなさい」
また、ふたりの間は適度に距離をおくべきだという。
神殿を支える柱のように。
原文をあまり引用できないので、これだけではとてもその魅力は伝わりにくいかもしれませんが、
少なくとも、周囲の理解を得られないまま苦しい闘病をへた柳澤桂子のこころに、
どれだけこれらの言葉が深く届いたことか、想像に難くありません。
クリスマスのプレゼントにももってこいの本なのだけど、
今、店に残っているのは1冊のみ!
今の追加注文分は、はたしていつ入荷することやら・・・・