~ここから新しい世界に出会える~正林堂

渋川市の書店「正林堂」からお店の企画、本の紹介、地域の情報などを気ままに発信します。

【途中整理メモ】漂泊民の復権と国家の死滅

しばらく教科書作業に追われて中断していますが、
サンカや山伏の話からはじまった漂泊民・非低住民などの話、
うまいシリーズタイトルが浮かばないまま回を重ねてきてしまいました。
いいタイトルが浮かばないのは、まだシリーズで書く文の狙いどころがうまく整理されていないからなのかもしれない。

ここで、これまで書いてきたことをおさらいしてから、また書き出したいと思います。
自分自身、そもそもなんの話だったか危ういところもあるので・・・

第1回 内山節講演会「修験道からみた近代」
http://blogs.yahoo.co.jp/hosinopp/20686021.html
  (そもそものきっかけはここからでした。)

第2回 山伏と修験道・補足(1)
http://blogs.yahoo.co.jp/hosinopp/20719627.html

第3回 修験道のつづき、マタギの巻物のこと
http://blogs.yahoo.co.jp/hosinopp/20743573.html
(たぶん、これは「山伏と修験道・補足(2)」になるのだろう)

第4回 非定住民、賤民の文化
http://blogs.yahoo.co.jp/hosinopp/20768436.html

第5回 圧倒的アドバンテージ・土地所有
http://blogs.yahoo.co.jp/hosinopp/20798747.html

第6回 明治維新以来、百数十年の遠回り
http://blogs.yahoo.co.jp/hosinopp/20858779.html

第7回 河原乞食と芝居
http://blogs.yahoo.co.jp/hosinopp/20872610.html

第8回 安倍清明以外の陰陽師たち
http://blogs.yahoo.co.jp/hosinopp/20920456.html

第9回 真田忍者「草の者」のこと
http://blogs.yahoo.co.jp/hosinopp/20946863.html

第10回 死シテ屍 拾フ者ナシ
http://blogs.yahoo.co.jp/hosinopp/21001984.html

このあたりまでは、非定住民・漂泊民、賤民などが、
土地を持たないこと、あるいは痩せた土地しか所有していないことなどから
差別されながらも様々な高度な技術者集団としての地位を固めてきた様子を散見してみました。


そして、この次のあたりから
差別された人々に急速に浸透していった法然親鸞にはじまる浄土信仰
あるいは誤解されやすい「他力」ということについて、いくつかの視点で考察しました。
これは、とても私の手には負えない宗教テーマなのですが、のちに書く
「百姓ノ持タル国」の話をするためにどうしても経なければならないことなので、
視点を変えながら挑戦してみた文章です。

第11回 祝福されているのになぜ泣く?
http://blogs.yahoo.co.jp/hosinopp/21145998.html

第12回 地獄は一定すみかぞかし【私見
http://blogs.yahoo.co.jp/hosinopp/21305928.html

第13回 ならば私を信じるか?
http://blogs.yahoo.co.jp/hosinopp/21498114.html

第14回 アイデンチチー
http://blogs.yahoo.co.jp/hosinopp/21522353.html

第15回 信長が生涯を通じて闘い続けた相手
http://blogs.yahoo.co.jp/hosinopp/21546871.html

第16回 遅れた民主主義原則=「多数決」原理  (これも含めていいかな)
http://blogs.yahoo.co.jp/hosinopp/21603993.html

第17回 現実味を増す全員参加型直接民主主義
http://blogs.yahoo.co.jp/hosinopp/21687142.html


こんな流れで、私がいったい何を語ろうとしているのか
はたして皆さんに伝わるでしょうか?

それでも、けっこうな量を書いているもんだなぁ。


とても十分な説明が出来ているとも思いませんが、
こうした「他力」という考えと
浄土信仰とあらゆるものを差別しない思想が、それまで差別され続けてきた多くの賤民や様々な職能民をまとめて一向一揆という勢力として発展しました。

その辺の説明にこれから入っていく予定です。

そこでは寺内町という形態で独自な経済組織体制を生み、
やがて加賀の地に領主のいない「百姓ノ持タル国」を築くまでに至るのです。

このフランス革命よりも前の、戦国の世で生まれたこの事例は、
これからの国家像を見据えるうえで、私は
とても貴重な視点を与えてくれていると思うのです。

これを狂信的な一向一揆の宗教集団としてだけみると、
どうしても話がややこしくなってしまいます。

しかし、これをもう一度、自主的に集まったひとびとの共同体組織としての面から見直し、個々の組織形態のありようを個別に見ていくと、
権威主義は一層崩壊してボーダレス化する現代社会にこそ、この一向一揆の姿は
最良の実験試料を提供しているように思えてならないのです。



【メモ】
現代からみた漂泊民復権のもつ意味
   近い将来死滅する近代国家社会を準備し、予兆として現われている
  土地所有から一段と切り離された労働者の増加が加速 
   第一期:近代工業化の時代=農山村から離脱した工場労働者の増加
   第二期:グローバル経済のむきだしの資本主義時代 
終身雇用などの崩壊とともに漂流・放浪する労働者の増加

 地域や組織への所属だけで安定が得られない時代へ
 個々の人間の能力(労働力)が具体的に問われる
→ かつて差別されてきた漂流民・漂泊民の姿に近づいてきた

権威主義の崩壊
・ ネット社会、バーチャル社会の拡大によるボーダレス化の加速
・ 戸籍法・住民票、行政単位の見直し
・ 納税システム
・ 特別自治区の増加



ま、気ままに当分書き続けていくことになると思いますので、
何も期待せず、
何もあてにせず、
興味のある方だけ、お付き合いください。