石田衣良『夜の桃』
石田衣良『夜の桃』
新潮社 定価 本体1,600円+税
特に読む気じゃなかったけど、書評ブログの言葉につられてページをめくりだしたら止まらず、
最後まで読んでしまった。
mixiの日記には書いていて、ブログにアップすることは考えていなかったのだけど、
今日の上毛新聞にも書評が出ていたので転載することにします。
「週刊新潮」連載時から話題にはなっていたらしいが、石田衣良が性愛の極地を作家デビュー10年にしてはじめて描いた小説。
主人公は、著者とも私とも大体同年代の40代。
私と同年代というには少し無理があるかな。
ま、だいたい同じ。
そんな世代のディープな性の描写が、読むものをぐいぐい引きつけていくのだけど、身近ではありえない美人や金持ちを登場させることなく、こうした世界を気持ちよく描いてくれているので、途中でやめる気にはならなかった。
恋愛小説は三角関係がベストのシチュエーションなのだけど、この作品の場合は、4人目が出ても、たとえ5人目が出ても構造は崩れない。
週刊誌や、スポーツ新聞のエロ小説よりも、確かにずっと満足感があった。
渡辺淳一に対するような軽蔑感にいたるような表現もなかった。
かといって、谷崎潤一郎のような香り高い作品というわけでもない。
意外と、新潮社という看板やそのしっかりした活字に騙されているだけなのかもしれない。
でも、良かったよ。
こういう本の話は、これを読む気のあるひと、
または読んだ人とだけと、このあとの話はしよう。
ネット上の知り合いのある店では、「父の日のプレゼントに」といった趣旨のPOPをつけて
けっこう売ったそうだ。
その後、贈る側、贈られた側でどんな会話があったことか、興味津々。
生涯、一度でも出会えれば幸せな
「肌が合う」相手。
しばらく、ぼーっと考えていた。
新潮社 定価 本体1,600円+税
特に読む気じゃなかったけど、書評ブログの言葉につられてページをめくりだしたら止まらず、
最後まで読んでしまった。
mixiの日記には書いていて、ブログにアップすることは考えていなかったのだけど、
今日の上毛新聞にも書評が出ていたので転載することにします。
「週刊新潮」連載時から話題にはなっていたらしいが、石田衣良が性愛の極地を作家デビュー10年にしてはじめて描いた小説。
主人公は、著者とも私とも大体同年代の40代。
私と同年代というには少し無理があるかな。
ま、だいたい同じ。
そんな世代のディープな性の描写が、読むものをぐいぐい引きつけていくのだけど、身近ではありえない美人や金持ちを登場させることなく、こうした世界を気持ちよく描いてくれているので、途中でやめる気にはならなかった。
恋愛小説は三角関係がベストのシチュエーションなのだけど、この作品の場合は、4人目が出ても、たとえ5人目が出ても構造は崩れない。
週刊誌や、スポーツ新聞のエロ小説よりも、確かにずっと満足感があった。
渡辺淳一に対するような軽蔑感にいたるような表現もなかった。
かといって、谷崎潤一郎のような香り高い作品というわけでもない。
意外と、新潮社という看板やそのしっかりした活字に騙されているだけなのかもしれない。
でも、良かったよ。
こういう本の話は、これを読む気のあるひと、
または読んだ人とだけと、このあとの話はしよう。
ネット上の知り合いのある店では、「父の日のプレゼントに」といった趣旨のPOPをつけて
けっこう売ったそうだ。
その後、贈る側、贈られた側でどんな会話があったことか、興味津々。
生涯、一度でも出会えれば幸せな
「肌が合う」相手。
しばらく、ぼーっと考えていた。