廃炉の厳しい道のり
脱原発の見解如何にかかわらず、寿命を迎えた原発の廃炉とそれにともなう膨大な放射性廃棄物の処理の方法については、まだまだ未解決の問題にあふれています。
(朝日新聞 2011年9月18日「迫る廃炉ラッシュ」より)
このように既につくられてしまった原発の将来の処理方法を考えただけでも、原子力発電は継続であろうが、段階的な廃炉であろうが、可能な限り速やかな廃炉であろうが、莫大な経費と膨大な放射性廃棄物の処分、管理方法に多大な困難がつきまとうことをまず覚悟しなければなりません。
上の写真の朝日新聞出版から出ていたもの(品切れ)が、このたび新書版で再刊されました。
11年を経ても、まったく古く感じることがありません。
舘野 淳 著 『廃炉時代が始まった』
リーダーズノート新書 定価 本体920円+税
63年に日本で初めて原子力発電に成功した日本原子力研究所(現在の日本原子力研究開発機構)の動力試験炉「JPDR」は、76年に運転を停止し、96年に廃炉を完了した。茨城県東海村の敷地はいま、更地になっている。
だが、すべてが終わったわけではない。廃炉で出た放射性廃棄物3770トンはすべて敷地内に一時的に保管されている。別の場所に設ける処分場に移して2019年に埋設を始めることになっているが、候補地すら決まっていない。
同じ東海村では、日本原子力発電東海発電所の廃炉作業が続いている。66年に稼働した国内初の商業炉。98年に営業運転を停止後、使用済み核燃料を原子炉から取り出し、英国の再処理工場に送った。原子炉周辺の解体は14年度からの予定で、現在は原子炉の熱でタービンを回す蒸気を作る「熱交換器」を撤去中だ。
廃炉で出る6万7900㌧の放射性廃棄物のうち、放射線量が比較的高い約1万4700㌧は地下10㍍から100㍍の施設に埋設する予定。だが、場所は決まっていない。日本原電は「解体工事前までに確定する」としているが、決まらない場合は廃炉工事の期間も延ばさざるをえない。
(朝日新聞 2011年9月18日「迫る廃炉ラッシュ」より)
このように既につくられてしまった原発の将来の処理方法を考えただけでも、原子力発電は継続であろうが、段階的な廃炉であろうが、可能な限り速やかな廃炉であろうが、莫大な経費と膨大な放射性廃棄物の処分、管理方法に多大な困難がつきまとうことをまず覚悟しなければなりません。
上の写真の朝日新聞出版から出ていたもの(品切れ)が、このたび新書版で再刊されました。
11年を経ても、まったく古く感じることがありません。
舘野 淳 著 『廃炉時代が始まった』
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