~ここから新しい世界に出会える~正林堂

渋川市の書店「正林堂」からお店の企画、本の紹介、地域の情報などを気ままに発信します。

「まちの駅」

「道の駅」のことではありません。
「まちの駅」です。

まだ認知度は低いかもしれませんが、北関東を中心に
民間レベルで広がっている運動です。
これは既存の公共施設や個人商店などの空間を利用して、
他所からきたひとをもてなす空間づくりを広めて行こうというとりくみです。

主な機能は、以下の4つ
1、休憩機能 誰でもトイレが利用でき、無料で休憩できる。
2、案内機能 「まちの案内人」が、地域の情報について丁寧に教える。
3、交流機能 地域の人と来訪者の出会いと交流のサポートをする。
4、連携機能 まちの駅間でネットワーク化し、もてなしの地域づくりをめざす。

この「まちの駅」の数が、なんと渋川市が100ヶ所を超え、全国一位になりました。
かつては栃木県の鹿沼市が一位でしたが、わずかの間に
赤城村の新井さんという寿司屋(文弥 http://www8.wind.ne.jp/bunya/
の元気なおじいさんが、みるみる間に広げてくれました。
私は見ていませんが、テレビでも報道されたそうです。

肝心な旧渋川市街があまり普及していないのが難点ですが、
とてもすばらしい運動なので、全国に広がっていくことを期待しています。

よく私たちが他所の土地へ行ったときの印象というものは、
その街でたまたま出会ったひとの印象に大きく左右されるものです。
たまたまであった街の人に、親切に
そこの穴場の観光スポットやおいしい店を教えてもらったときなどは
旅そのものがとても豊かなものに思えるものです。

このことは誰もがわかっていることではありますが、
よくこの「まちの駅」の参加を呼びかけているときでも
それは良いことで参加はしたいが、
忙しいときにそれはできない、とか
うちは一人でやっているので、そういつも相手をしているわけにはいかない
という返事が返ってくることがあります。

しかし、この運動の大事なところは、ここです。
忙しいにもかかわらず、あの人は親切に教えてくれた。
儲けにはなんにもつながらないにもかかわらず、丁寧に対応してくれた。

これが、相手に喜んでもらえて、その土地の価値を高める最大ポイントなのです。
この考え抜きに、立派な観光施設をつくっても魅力ある街になることはありません。

といって自分の店でも、
滅多にない、大勢の顧客の対応に追われているときや、
先月までの教科書販売の準備に追われているときなどは
どうしてもつっけんどんな対応になりがちで、
従業員にそこをもっと努力しろと強くはいえません。

多くの店で同じような現状はあることかと思いますが、
この「まちの駅」加盟の宣言、決意をするだけで
多少忙しいようなときでも、ちょっとの心がけで
もてなすよう努力しようと意識することができるようになります。

コストのかからない運動として、
ハードに依存しない実質的な街づくり、地域づくりの運動として
すばらしいことではないでしょうか。

なのに!
うちの店はまだ加盟してません!
私は、外部に加盟呼びかけしていながら
自分のところでは入っていないのです。
内部のまったく馬鹿げた理由で。

このブログで公開することを通じて
改めて内部の問題を解決しようと思います。

この運動を広げている文弥のおじいさんは、
いつも作務衣姿で駆け回るとても行動的な方で、
地域で何かするのに行政なんかあてにしちゃ絶対ダメだと
叫んでいるすばらしい方。
作業オフィスにはパソコンはもとより、
大小のプリンターずらりと並んでいることから
かなりの作業屋さんであることがうかがえます。
いつもお役所の作業効率の悪さにあきれて、
あんなこと金かけずに簡単に出来るのに、
と嘆いてました。

「まちの駅」
みなさんの街でも是非広めてください。