~ここから新しい世界に出会える~正林堂

渋川市の書店「正林堂」からお店の企画、本の紹介、地域の情報などを気ままに発信します。

少し道を間違えてる?

イメージ 1

マンションと実家の本棚の写真を撮りましたが、
以前からわかっちゃいるけど、
改めて自分の蔵書の大半が古本であることを思い知った。

自分の職業が新刊本屋であるにもかかわらず、
自分の購入する本はほとんど古書。
そのためもあり、書評などを書いたり、
ホームページで紹介する本も
私の場合、新刊書を取り上げることがとても少ない。

このように古書中心になってしまう第一の理由は、
経済的理由によるのだけれども、
お客さんに店の新刊本をすすめていながら、
自分ではこっそり、古書で出回るのを待ったりしてるのが実情。

これはやはり職業的背信行為だろうか?

そんなことで特別悩んでいるわけではないのだが、
興味自体が圧倒的に過去の本にあるのだから、
新刊本屋に向いた人間とはいえないことは確かであると思う。

もちろん屈折した人間ならではの独自のアプローチの価値というものもあるだろうが、同業者のプロといえるレベルの人たちが、店頭の新刊書を毎日1冊読んでいるのに比べたら、どう考えても、職業的には一流にはなりえない。

 ただ自分自身の正直な気持ちを裏付けるかのように、ホームページで紹介している本のamazonのリンクも、購入につながっているのは、圧倒的にユーズド商品である。
定価1,000円、2,000円のものが300円とか600円で出ているものばかり。
 同じタイトルが新刊と古書両方並んで出ていれば、確かに圧倒的多数のひとは古書で買う。
 
 多くのお客さんが新刊書店で本を買ってくれるのは、それがまだ古書では出回っていないこと、たとえ出回っていても、それにめぐりあえる確率が低いこと、探し回る時間と足がないことなどがあるが、ネット社会が進むにしたがってそれらの障壁はどんどん消えてきている。

 私個人が新刊書店で食っていながら、古書愛好家であるという嗜好の問題としてよりも、自分のまわりの市場構造が圧倒的にそのようになりつつあるのだという現実を身にしみて理解するものとして商売をよりシビアに考えるべきなのだろう。

その意味では
これこそオレの領分なのだ。