~ここから新しい世界に出会える~正林堂

渋川市の書店「正林堂」からお店の企画、本の紹介、地域の情報などを気ままに発信します。

無償の労働、「贈与」と「お金」

純粋な自然の贈与

あけましておめでとうございます。 以下は、中沢新一著 『 純粋な自然の贈与』 講談社学術文庫についての文ですが、書評ではありません。 わたしの雑感です。 以前、モースの『贈与論』の紹介を書いたことがありますが、中沢新一氏のこれまでの著作も含めて…

福岡正信さんが亡くなられました。

究極の無為自然、老子の思想を説いて、それを実践普及させた福岡正信さんが、16日に亡くなられました。 1913年生まれ。 横浜税関植物検査課勤務などを経たのち、1947年、帰農。 以後、自然農法一筋に生きる。 1988年、インドのタゴール国際大学学長のラジブ…

エンデの遺言

すべてこの世のものは、 自然であれ、人間がつくったものであれ、 時間とともに老化して、価値は下がっていきます。 なのに「お金」だけが、 なぜ、時間がたっても価値が減らず、 そればかりか「利子」というオマケまでついて、 価値が増えていくのでしょう…

人類の偉大なる「叡智」か、「方便」か

長い間、内山節さんの哲学を追いながら、マイミクの三四郎さんとも共有していたやっかいなテーマ、使用価値と交換価値の矛盾と商品・貨幣の問題を、先日の片品でのフォーラムに参加しているうちにある決定的な表現がひとつひらめきました。 それは、わたしは…

贈与 その4、オッパイの巻

前回は、高度に発達した資本主義のもとにあっても、 生産力、国力の圧倒的な要素は大自然からの贈与によって担われていることを書きましたが、 今回はそのもうひとつの要素、人口(人間の拡大再生産)も贈与の構造によって担われている ということを書こうと…

贈与 その3

贈与の問題を語るうえで、 もうひとつ避けて通れないキーワードに 人間の真の生産力とはなにか、という問題がある。 よく日本は、小さな島国でありながら、世界に誇る技術力、生産力で 先進国の仲間入りをした異例の国であるといったような表現を耳にするが…

贈与 その2

月夜野町(現みなかみ町)の私の実家では、 毎朝のように朝起きると玄関の前になんらかの新鮮な野菜がおかれている。 近所のひとが、自分のところで採れたものを持ってきてくれたのだ。 おそらく家の親も、お返しになんらかのものを持っていているのだろうが…

「贈与」ということ その1

私はよく、お客さんや知り合いとの間で、本の貸し借りをしたり、 時にはプレゼントをしたり、されたりすることがありますが、 これは結構めんどうなことも多く、 大事な本に限って返ってこなかったり、汚されたりして 後悔することもしばしばあります。 プレ…